映画『ブリッジ・オブ・スパイ Bridge of Spies 』 | entertainmentcrazyのブログ

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映画『ブリッジ・オブ・スパイ
        Bridge of Spies 』
監督:スティーブン・スピルバーグ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:トーマス・ニューマン
キャスト:トム・ハンクス
                  マーク・ライランス
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セリフなしの冒頭数分間からグイグイ来ます!
脚本はコーエン兄弟。
撮影監督はヤヌス・カミンスキー。
音楽はトーマス・ニューマン。ジョン・ウィリアムスが体調悪く「スカイフォール」など手がけたトーマスに。
主演はトム・ハンクス。
これで、監督がスピルバーグ!
映画界の頂点に君臨する親方のもとに、最高峰の匠たちが集まって作った秀作。
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1957年、冷戦下のアメリカ・ニューヨーク。弁護士ジェームズ・ドノバンは、スパイ容疑で逮捕されたソ連の男を、死刑から救う。男を救ったのは人道的考えからだったが、その切り札となったのは、今後アメリカ人がソ連に捉えらえた時のために男を生かしておきべきだという考えだった。
その5年後、アメリカの軍人がソ連で逮捕され、ドノバンの予言は的中。
さらに、1961年ベルリンの壁が作られた際に、アメリカ人の学生も東ベルリンに逮捕される。
ドノバンは、アメリカ政府から人質交換を依頼される。
が、アメリカ政府は、イデオロギーを恐れ、ドノバンに全てを任せる。さらに、軍人だけ、学生は救出できなくてもいいというのだった。
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どこに?コーエン節がって思うかもしれないが、細かいセリフや、ちょっとしたことにコーエンらしさが散りばめられている。
主人公が、ホテルで大量のアメリカンな朝食を頼むシーンやラストのお土産の気の利いたシーン。そういったジャブが退屈になりそうな話を弾ませる要因になっている。

主人公ドノバンがいい人過ぎる。もう少し彼の暗の部分を入れてれば、もっと深みが出たかもしれない。とはいえ、傑作!

ヤヌス・カミンスキーは、「シンドラーのリスト」以降スピルバーグが信頼を置く撮影監督。黒澤明監督作品のような重厚な映像を撮る事が出来る、歴史ものにはピッタリといえる。
灰色の建物の時代を象徴するかのような重~い感じはカミンスキーのなせる技。
劇中に二度ある列車の中から主人公が見るある風景のシーンなんて、シーンは短いが撮影はかなり大変だと思う。
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画角とか配置とか、スピルバーグ監督はホントに素晴らしい。
音響効果も素晴らしくて、そこまで音を聴かせるかってくらいに、スクリーンのあらゆる音が作られ聴かせている。ベルリンの壁が出来るシーンでは、ぜひ耳を澄まして音を聞いてほしい。音響効果も名匠スティーブ・ボーテッカー。

ロシアのスパイを演じて高評価のマーク・ライランスは、スピルバーグの次回作「The BFG」で主演をつとめる今後注目すべきベテラン俳優。

当時のイデオロギーを恐れたアメリカ政府が一人の弁護士におっ被せた前代未聞の人質交換交渉。アメリカの良心を演じるトム・ハンクスの
演技はもちろん素晴らしい。感情を押しこらえた感じがいい。

派手なスパイ・アクションがあるわけではないけれど、グイグイ引き込まれていくのは、匠たちのなせる技。

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宣伝観てるととっても地味な映画のようだけど、大作です。スピルバーグ監督と名匠たちじゃなかったら、とっても退屈な話かもしれない。ここまでのエンターテイメントに仕上げたのは語り部のうまさ。
ベルリンの壁がどうやって作られたか?その時の人々は?それを知るだけでも観て損はなし!一流の映画!必見!