旅立ちの日に  清水晴木著 中央公論社 2022年8月25日初版発行  東図書館所蔵

 

新着一覧からの予約し10月14日受け取り。

油断していたら返却期限に間際になっていたので、

後半は、11月の病院の診察待ちのときに、ざっくり読むことに。

 

12月下旬に年末年始に、じっくり読もうと改めて予約して借りたら、再び同じ本が届いた。

(図書館2館と地区市民センター1館の計3冊所蔵)

予約配本は、地区市民センター所蔵本より、図書館所蔵本が優先されるのかな。

1月19日返却

 

個人的に感動するお話のトップスリー入り。

 

第一話『木蓮の涙と桜』

 

桜木浩は1992年4月から、フェリーターミナルで春風亭(はるかぜてい)という定食屋を営んでいたが、オープン1年目で妻で一緒に店をやっていた陽子が事故死(契約農家から野菜を仕入れた帰りの出来事)。この先どうするかというところから物語は始まる。

1990年に浩と陽子は出会った。当時浩が勤務していた柏の洋食店に陽子が大輔を連れ来店したのがきっかけ。その後結婚し、陽子が富津市金谷で飲食店をやりたいということもあり移住し開店。

 

浩は店を休業し、再会の当てもない日が続く。妻の連れ子の大輔は一人で街なかに出かけては、浩が連れ戻す日々が続いた。自分と居るのが嫌なのではないのか、浩は落ち込むが、大輔はあるものをさがしていた。そのさなか、浩は苦手としていた総合係と同い年と判明し、親近感が湧く。そして、春風亭は再開する。大輔が小学校入学までは昼飲みだが、陽子の母やフェリーサービスセンターの職員の手助けもあり、春風亭は営業再開する。

 

そして物語は、主に桜木大輔を主軸に年月は進んでいく。

 

桜木陽子  40歳で交通事故死

桜木浩   40歳。「聞いてないよォ」が持ちネタ。『サウンド・オブ・サイレンス』が最初に買ったレコード。

桜木大輔  5歳。陽子の連れ子

 

陽子の母  大輔を引き取ってもいいと提案してきた。

椿屋誠(つばきやまこと) 40歳。フェリーサービスセンターの総合案内係。くるくるのパーマ頭。みんなからは「案内係」と呼ばれるが、浩は「総合係」と呼ぶ。

 

サクラさん  浩が金谷に来て最初に知った人。街中に桜を植えているから、サクラさんと呼ばれる、

 

堂島佐代子 春風亭の常連女性。上品な雰囲気で50歳超えている。ぬるめのお茶を好む。書道教室を開いている

畑中  堂島の友達。熱いお茶を好む。

 

 

第二話『白鳥の海』

長野五輪から半年以上経過した頃。

立花真由美は、小学生~高校卒業まで、フェリーに乗って久里浜のバレエ教室まで通って習っていた。フェリーに乗る前後にフェリーターミナルで予習復習のために一人踊っていた。高校卒業後は東京へ行き、バイトしつつバレエ団の試験を受け、入団したが、怪我が続き、ついに28歳で夢を諦めて金谷に戻る。フェリーターミナル内で高校の同級生や元カレに遭遇しぷち同窓会に。

感傷にひたり、はぁとため息をつくと、ひふへほーと小学校くらいの男の子に続けて言われ、書道教室に誘われる。最初はその時だけだったが、大輔や佐代子に誘われ、毎週通う。

佐代子が書道教室始める切っ掛けは、フェリーターミナルで踊っていた真由美を何度かみていたためと聞かされた。

 

立花真由美 28歳→29歳。

河田  高校時代の元カレ

堂島佐代子 書道教室をしている。10年前から書道教室を始めた。金谷には10数年前に移り住んだ。アーケードゲームやテレビゲームもする。

桜木大輔 小学生、佐代子の書道教室に通う。

椿屋誠 フェリーサービスセンターの総合案内係。案内係になって7年目

 

 

 

第三話『さよなら、ちいさな恋のうた』

大輔が中学2年の時。

大輔の幼馴染の柏木は、梅野に恋心をいだいていたが。転校してしまうことになり、木更津へデートしに行く。映画館で猫の恩返しを鑑賞し、きみさらずタワーへ。後日、駆け落ちしようと夕方の電車で木更津を経由して千葉まで行ったが、変える決心をしてそのまま戻って帰宅したのは午後9時。そのまま別れさせられたように転校していった。クラスメイトの噂話は大輔が一蹴していた。

 

桜木大輔  小学校時代はスポーツ万能だったが、中学校からは園芸部に入り皆を驚かせた。部で育てた野菜を、家の食堂で使い地産地消ができるため。料理人を目指しており、ヤンチャグループとは仲いいが一緒にタバコを吸うことはしない。子供の頃の夢は、スーパーサイヤ人やポケモンマスターだった。

梅野達也  大輔の友達。放送部。1年前に転校してきたが家族の都合(転勤族)で夏休み前に広島へ転校予定

柏木美穂  放送部で、1年のときに梅野とともにお昼の放送を担当した時に、梅野から映画が好きだと聞かされてから梅野が気になるが、広島に転校することを告げられる。大輔とは小学校のときに同じクラスになったり、同じ書道教室に通う幼馴染であった。

椿屋誠  フェリーサービスの総合案内係。くるくるパーマ頭が特徴。

春風亭  金谷フェリーサービスセンターでの定食屋。大輔の父の店。

幸せの鐘 フェリーサービスセンター南側の駐車場のところに恋人の聖地と呼ばれる「幸せの鐘」が設置されている。

 

第四話『卒業写真』

卒業式まであと少しの日々、大輔は町田と仲良くなった。

木更津駅近くでマウンテンバイクに乗る町田を見かけて、時間があったのもあって密かについていった先は江川海岸だった。そこで会話して仲良くなり、金谷から館山ファミリーパークへ自転車ふたり旅(町田は木更津から金谷までの20kmを自転車で移動)。その日は桜木家に宿泊し翌日に木更津へ帰っていった。その後マザー牧場にも行った。

 

卒業式の日、廊下に貼り出された写真を見て、大輔は写真部の町田は同級生を記録していたことを知るが、町田は卒業式終了後すぐの電車で空港に向かいそのまま北海道に行くというので、急いで木更津駅へ向かう途中で、浩と案内係が車で来ていたので載せてもらいなんとか木更津駅について、別れの挨拶ができた。

 

桜木大輔 進路は、東京の調理師専門学校。

町田亨  写真家志望。進路は北海道大学。幼少期に両親を亡くし、祖父母に育てられた。

柏木美穂  大輔とは小学校からの腐れ縁。映画鑑賞が趣味に。

桜木浩  ダチョウ倶楽部のギャグで滑る

椿屋誠  桜木と同年代で、桜木のギャグを町田に解説した。

 

第五話『だいせんじがけだらなよさ』

先代の案内係の話。

案内係が勤務している場に、元妻がやってきた。余命僅かで、終の住処として金谷崎病院に入院するという。後日、金谷崎病院を目指して若い女性がやってきて、母を追いかけてきたと。病院の前で、元妻からこの人は案内係さんよと紹介され、なんどか街なかをエスコートしていたが、病室の会話で父親であるとバレた。

元妻を見送ってから、長い休みをもらい、世界を見てきた。

 

菊川茂  案内係 63歳。元妻と離婚後に金谷に移住した。

貴子   元妻

久美子  三年前に娘結婚して女児を産んだ。子は明日香

 

椿屋誠  フェリーターミナルにいつも来ていた青年。人間関係でいざこざがあり仕事の毎日にも疲れて、通勤とは逆方向の電車に乗ってここにたどり着いたという。菊川は、彼をスカウトした。

     僕のことは、サクラと呼んでくれといった。

 

第六話『旅立ちの日に』

2019年春

案内係が船に乗って旅に出かけると、街なかでは噂になっていた。実際は日帰りで(海外の人から渡されたサクラの絵を遺族に渡しに)神奈川まで行って帰ってくる予定だが、盛大な見送りまでされた。船から街を見ると、サクラが植えた桜の花が、打ち上げられた花火のように咲いていた。

 

椿屋誠 66歳。フェリーターミナルの案内係

サクラ 享年90。金谷の街なかに桜を植えていた先代の案内係。今年の春に大往生した。

 

町田亨  大卒後写真家に。フェリーターミナル内にも写真の展示している。

桜木大輔 31歳。専門学校卒業後、町田とともに世界を回って料理の研究をしている。

堂島佐代子 80歳くらいで書道教室の先生を続けている。バレエ教室開講後、椅子に座って書くスタイルに改めた。

立花真由美 堂島の書道教室の隣でバレエ教室を開く

 

柏木美穂  都内で梅野と同棲中

 

 

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奥付で紹介

『おまえなんかに会いたくない』→予約して読了

『52ヘルツのクジラたち』

『星を掬う』