同潤会代官山アパートメント 三上延著 新潮社 2019年4月19日 中央生涯学習センター図書室所蔵
ある家族を追いかけたけた感じの物語、
年ごとに一つのお話だけど、話ごとに主人公(視点となるもの)は異なる
1995年 プロローグ 八重視点
懐かしのアパートにもどってきたのは八重?
1927年 月の砂漠を 八重視点
八重と竹井光三
八重は茅ヶ崎で妹と住んでいたが、妹の縁談がまとまり、ある日の朝に上野の百貨店へ行く妹を送り出した日の昼過ぎに大震災に見舞われ、なんとか茅ヶ崎までこれた叔母に聞かされたのは、「12階」で妹が死亡したことだった。そのことは、八重と同じく安否を心配し、茅ヶ崎まで来ていた竹井も聞いていた。
その数年後に八重は竹井と結婚し、代官山のアパートに住み始めた。
1937年 恵みの露 竹井視点
竹井家の一人娘、恵子と杉岡家兄妹のはなし
14か15の杉岡ハナは結核を患っていた、療養のために田舎に行く話がまとまりかけていたが、先方から断りの使者が来て、落ち込んでいたハナに、誰かが恵子のクリスマスプレゼントにと購入していたぬいぐるみをあげた。竹井と八重は、ハナの兄の竣平を疑うが。。
1947年 楽園 恵子視点
戦後のこと。竹井家は引き続き代官山のアパートに居住
19歳の恵子は、ある映画館で、杉岡俊平を見かけた。
1958年 銀杏の下で 八重視点
恵子は俊平と結婚し二人の子どもを設けた。
恵子は、竹井家の向かいの棟の杉岡家の部屋に住む。
杉岡の両親は、ハナを亡くした後も伊豆に住み続け、相次いで死去した
竹井家の直下の2階と1階の2部屋は、佐藤家がすんでいるが、引っ越しを考えているという。
代官山のアパートは、住宅営団の賃貸アパートではあるが、戦後の混乱で営団はなくなり、住民に払い下げられ、住民が部屋と土地の一部の権利を持ち、家族が増えて部屋が手狭になると、複数の部屋を使用するのも珍しくなくなった。
進 6歳、浩太 8歳
爆竹、ヘビ花火、狼煙など、火を使う遊びが流行していた。
1968年 ホワイト・アルバム 進視点
進16歳視点
佐藤直也・・・佐藤家の末っ子、高校で進むと同じクラスに
某有名グループに惹かれ、新曲のレコードを入手したくなった、進。
お金をためてレコード店に買いに行くが・・・
1977年 この部屋に君と 竹井視点
77歳の竹井は入院中の病院から一時帰宅し1階の部屋に入ったが、なにか違和感を感じていて、3階に行きたいと思った。最初は八重に付き添ってもらったが、階段で後ろから声がかかり、バランスを崩し落ちてしまった、声をかけた当人の進に背負ってもらい再び3階を目指すものの、2階で恵子に見つかった。恵子からクドクドと注意受けているところに竣平が仕事から戻り、竣平からもたしなめられたが、何故か竣平が、「とにかく、3階に向かいましょう」と竣平が背負って、竹井は3階の部屋へ”帰宅”した。イチョウの枝が伸びていて待ち望んだ光景ではなかったが、千夏の一言で、竹井は”帰宅”を実感できた。
千夏 3歳未満(家族で神戸から帰省)
(1985年) 恵子と俊平夫婦が老朽化著しいアパートを出て、藤沢に家を買った
1988年 森の家族 進視点
千夏 13歳(中学1年) 学校でのトラブルから神戸から単身上京してアパートに転がり込んだ
千夏の提案で、八重と進と東京タワーへ。
上からアパートを見下ろして、八重はある決断する。
(1994年)~1995年(~1997年) みんなのおうち 千夏視点
千夏は東京の高校に進学し、さらに東京の私大に進学したのは1994年。その年に藤沢の八重は93歳だった。千夏の祖父たちが話し合って、八重は半日だけ代官山アパートへ里帰りした。
開けた1995年の正月、千夏は神戸に帰省し家族で正月を迎えてからアパートに戻った。
1月16日の夜 八重が危篤状態になり、千夏はバイクで藤沢の病院に向かう。
明けた1月17日藤沢でも地震を感じ、テレビのニュースで神戸が震度5と知り、千夏はバイクで神戸に向かい両親の安否を確認に行く。
18日未明に進に電話が繋がり、1月17日夕方、八重が息を引き取ったと聞かされた。
1997年
(進の子)友希 3歳
千夏と友希は、代官山アパートの真鍮製の鍵で、鍵を開けて「ただいま」して物語はおわる。
1927年 エピローグ
八重と竹井が代官山のアパートに初めて入ったお話。
竹井が欲しがったものは。
登場人物
八重 主人公その一
愛子 八重の妹。関東大震災で死亡
叔母さん
竹井光生 本来は愛子の婚約者だったが、愛子死亡後も何度か会い、正式に結婚を申し込んだ
アパートの管理人 代官山アパートの管理人で規則に厳しい
恵子 八重と竹井の一人娘
杉岡俊平 ハナの年子の兄
杉岡ハナ 1937時点で14か15 結核を患っていて、だんだん病弱していた
杉岡恵子 竣平と結婚した恵子
杉岡浩太 恵子の第一子 真面目だが・・・
杉岡進 恵子の第二子 臆病だが・・・。最後までアパートに住み続けた
佐藤直也 進の幼馴染
上野厚子 直也の従姉妹の大学生
杉岡千夏 浩太と厚子の一人娘。最後までアパートに住み続けた。
菅沼奈央子 進の勤める会社に入った
杉岡友希 進と奈央子の子ども