アルプス交番からのメッセージ 谷口凱夫著 山と渓谷社 2014年6月5日初版第1刷発行 宇都宮市立南図書館所蔵 

 

富山県警山岳警備隊を定年退職し、中高年登山教室の講師を経て、同教室卒業者で結成した山岳会に属し、山行をしている状態の筆者の想いをまとめた本。何でも他人任せのお客様登山に警鐘を鳴らす意味で少々、辛口な意見が多い。講師時代も、あえて強行行軍で参加者を篩いにかけていたとネタばらししている。

山岳会の山行では、アキレス腱断絶の怪我もしている。

 

遭難事故では

平成元年10月 北アルプス立山連峰真砂岳 10人の遭難

トムラウシ山大量遭難事件

 

平成21年5月 6人パーティーから二人が滑落したと救助要請→ヘリで二人を収容したが、うち一人は別に遭難していた単独登山者で、残された一人は遭難死した。

 

救助された経験者の手記もいくつか

昭和62年8月 九州(長崎県天草市)からの単独登山者が下山中に転落→ヘリ救助(激痛で生還を実感)→ヘリポートのある富山市民病院へ1ヶ月入院(入院中も時々ヘリ救助者の搬送があった)、水越医師(ヒマラヤ遠征隊ドクターで参加し現地で急死)に治療を受けた。

 

その他の事例

風邪気味を押して登山→急性肺炎→強行行軍で山中で悪化→肺水腫→救助しにくい場所→衰弱→息を引きとった

猛暑日に登山→若手が行動不能に→異常な発汗→木陰で休息させ→下山時に合流。

 

山の事情

和式のぼっとん便所で用を足せずに、腹痛でヘリ搬送の便秘遭難の事例も

 

夏場は常駐者のいる山小屋では冬季閉鎖が多い。避難小屋として開放はされていたが、冬季利用者の戸締まりが不十分で雪が吹き込んでいた、部屋の中をアイゼンで歩き回った、非常食を食べつくし、暖を取るために建物の一部を燃やす者もいたので、厳重にロックして閉鎖されるようになった。