よっつ屋根の下 大崎梢著 光文社 2016年8月20日初版第1刷発行  宇都宮市立中央図書館所蔵

 

ストーリー型の短編集で、小説宝石などに連載された。

上役に立てつき、見せしめ的な急な転勤で、転勤先に行く2人と残る2人のそれぞれの思いとか葛藤がまとめられた感じ。

 

・海に吠える

・君は青い花

・川と小石

・寄り道タペストリー

・ひとつ空の下

 

最初から最後まで、約12年の時を経ている、ある家族の物語。

葛藤と期待、婚家からの差別

 

 

・海に吠える--文彰(フミアキ)のものがたり

東京の病院で勤務医だった父が、病院の不正公表を巡って、病院とも家族間(病院長と義父が知人)でも対立した結果千葉県の端の病院へ左遷命令がされ、滋は頭を下げて家族について来てほしいと願ったが、それに当時小学校6年の文彰が同行した。私立中学受験準備や模試の点数もよいのをすべて諦め、身一つで転居する父に同行したところからはじまる。

 

・君は青い花--滋(シゲル)の物語 

 北陸地方の公立医大時代に教授より頼まれて、権威のある教授が帰京の為家を引き払う手伝いをしており、その縁で帰京した東京での喜寿パーティーに招待され、その場で出会った製薬会社重役令嬢であった華奈に一目惚れし、パーティーの終盤に滋は連絡先を渡すことにした。そして華奈と付き合うために就職では故郷に帰らず、東京の病院に就職した。

 

・川と小石--華奈(カナ)の物語

 滋が転勤して5年後のこと。親友の素子との会話で、むかし祖母から、父に自分と同い年の腹違いの子がいると聞かされていたことにあれこれ動揺しだす。

 ふと、滋の実家がある土地(栃木県宇都宮市)を流れる川は、東京には行かずぬ千葉に行ってしまうと聞いたのを思い出し、川がどこで海に流れるか調べて唖然とする。

 

・寄り道タペストリー --麻莉香(マリカ)の物語

 私立小学校へ通っていたので、母と東京に残ったが、そのことについて心残りのあるまま、私立校で内部進学して高校では合唱部となっていたある日のこと。。。

 

・ひとつ空の下 エピローグ(主人公は史彰)

 祖母の手術見舞いのために、北海道の医大に進学した麻莉香が帰省し、北海道にかえる麻莉香を送りに羽田空港へ向かった文彰、妹から意味深な話を聞かされ、見送ったあとに従兄弟からSNSに連絡があり、直接聞いた。江藤家のだれかに女がいて隠し子がいると。

 平山家では、華奈が新しいことに挑戦するために、ついに白金の家を出るが、空き家となる白金の家をどうするか新たな問題が生じた(滋は銚子に一軒家、華奈が白金の家、史彰は千葉にアパート、麻莉香は北海道で女子寮)

 

 

 

地名は割と実在の地名が出てきた

護国寺、渋谷、銚子、外川、千葉、北海道(札幌)、北海道(函館)

海に吠えるで、銚子に向かう特急が「しおかぜ」なのは初版本故に校正中にまちがったか。最後は実際に銚子へ行く特急「しおさい」がでている。

 

滋の地元なのが、栃木県宇都宮市で駅から車で15分の市街地エリア。

滋の父は戸籍家、母は食品加工会社のパート、兄は信用金庫、弟は高卒で就職した。

 

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