若桜鉄道うぐいす駅 門井慶喜著 徳間書店 2012年

 

田舎の小さな駅の駅舎を取り壊して病院を誘致したい村長、駅をそのまま残したい住民(村長の幼馴染、大学の名誉教授)、双方から駅についての由来を調べるように頼まれた男性(大学院生)が主人公のフィクション。

 

駅舎には大谷石が使用され、雪原のなかではうぐいす色に映える。

 

村長の孫であると同時に、住民の教え子の教え子で、どちらの頼みも受けるしか無い関係。

 

 

冒頭には、保存派と取り壊し派の小競り合いがあり、偶然ではあるが一人の女性が亡くなってしまう。

 

主人公の葛藤や日常を主体としたストーリーだけど、最後でどんでん返しがあったり、どストレートな濡れ場も。

 

若桜鉄道自体は、実際に存在する第三セクターであるが、この物語にでてくる「鶯村(うぐいすそん)」と「うぐいす駅」は架空の駅である。

 

カバーの駅一覧では、<こおげ-やずこうこうまえ-いなばふなおか-うぐいす-はやぶさ-あべ-はっとう-とくまる-たんび-わかさ>

 

表紙の駅名標のデザインは、JR東日本風となっている。