最近に思ったことです。実験の研究に必要な基礎力は三つあると思います。

一つ目は学力です。これは教科書、専門書を勉強して高めることが可能です。良い教科書を選んで読んで、そして内容をじっくりと考えて、さらに数式も自分で導出する必要があります。学力は研究の第一条件です。学力がなければ、実験をやっても成功はしません。

二つ目は実験力です。学力があって実験力がない人は理論家になるしかありません。学力があって実験という道を進もうと思う人は、若いうちに実験力を身につけることは大事です。これは、実験がうまい人、あるいは実験の経験が豊富な人と一緒に実験することでもっとも速く学ぶものです。一人で試行錯誤をするのは大体失敗します。先輩の経験を継いで、その上でこつこつと経験を積むことが重要です。

三つ目は見識力です。これは、雑誌、論文を読んだり、国際会議を出席したり、同分野の人と話したりすることで、身につくものです。いくら本を読んで、考えて、実験をしても見識は増えません。最新の情報を入手することも新しい実験を考案するのに大切です。

学力と実験力があって、見識力も併せて持っている人はいい実験家になれると思います。