書いてみると、わかるのです。頭にないものは、自分の言葉では書けないことです。書こうと思っても、簡潔に書くことができないのです。いくら資料に囲まれても助けにはなりません。

最近はインターネットの発達で、我々は「情報収集」の能力がすごく上達したと思います。うまくYahooとGoogleを使えば、どんな情報も入手できる時代です。しかし、必要なときに本やインターネットで調べればいい、という便利さの反面、「情報」を頭に「インプット」しなくなります。これは「情報社会の恩恵」だと思ったら、大間違いかもしれません。

もちろん、「どうでもいい」情報ならこれで十分です。もともと頭にインプットする必要がないものですし。しかし、「情報」と「知識」を混同してはいけません。「情報」は「知識」ではありません。研究や創造に必要なのは後者です。最近の教育は「情報」と「想像力」に重点を置いているように見えます。

僕が言うならば、教育の基本は、学生に
1、「知識」と、
2、「知識を獲得する方法」と、
3、「知識を使って創造する方法」
を教えることです。特に、「情報」を「知識」に変える作業が最も重視すべきことではないかと思います。

「創造」というのは、新しい概念の発生です。自分がもっている知識を頭の中に転がして、相互作用させて、そして、閃くと新しい概念が形成されます。新概念を具体化しようとするときに、インターネットや本から「情報」を集めて、それらを使うのです。これは、「概念」があってからの作業です。

知識つくりは結局、時間をかけて頭にインプットした情報を消化していく、という努力の過程です。これをやらないで、「情報」と「想像力」だけでは、足りないような気がします。