今日は「テーマ選び」について話します。

テーマは「与えられたもの」ではなく、「自分で見つけるもの」です。いいテーマを見つけられるかどうかは研究人生を左右するぐらいの大切なことです。前回に話した「論文・情報収集」はいいテーマを見つけるための準備だと言えます。うまくテーマを選ばないと、「空振り」になる可能性が大いにあります。

世の中のテーマを大まかに4種類に分けることができます。

(1)「重要、難しい」

(2)「重要、易しい」

(3)「重要でない、難しい」

(4)「重要でない、易しい」

テーマを探すときには、自分の能力も考慮しないといけません。ある問題は「難しい」か「易しい」かは自分の能力次第です。

「重要かつ難しい」問題を解くことができたら、それなりに大きな貢献になるでしょうが、難しいなら、まずは自分の能力を考えて、避けるべきだと思います。リスクが大きすぎるからです。その次になる「重要かつ易しい」問題を見つける努力をした方がいいと思います。たくさんの論文を目を通し、そして理解がある程度深まったら、いろいろな疑問やアイデアが出てくるはずです。その中に、「重要かつ易しい」問題が隠されているのです。それらの疑問やアイデアを整理して、明白な言葉にすると、取り組む価値があるかどうかの判断がしやすくなります。

もちろん、「重要かつ易しい」問題が見つからない場合では、とりあえず「重要でない、かつ易しい」問題をやることも大事です。そうしないと、何のアウトプットもなく時間だけが過ぎてしまいます。さらに、研究能力が疑われるという最悪な事態に発展する可能性もあります。しかし、「重要でない、かつ易しい」問題は「時間稼ぎ」にすぎなく、最終目標ではありません。こんな問題ばかりやっていると、研究人生をムダにしてしまいます。「重要でない、かつ易しい」問題をやりながら、自分の能力を磨いて、重要な問題を解くための準備をしないといけません。そして、ある日に重要な問題を見つけることができたら、すぐにそれを取り組むのです。

ここで、注意していただきたいのは、「重要でない、かつ難しい」問題です。これは一種の「トラップ」です。なかなか避けることが難しいです。なぜなら、我々はよく、「難しい=重要」と思ってしまいます。しかし、現実では、「難しい=重要」ではありません。重要な問題は難しいか易しいかに関係なく重要です。同様に、重要でない問題は難しいか易しいかに関係なく、重要ではありません。どの問題が重要でないか、判断する目を持つ必要があります。重要でないかつ難しい問題を取り組むことは、ある意味「不幸」です。石油のないところで一生懸命に穴を掘っていることと同じです。