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先週は学会なので忙しかったです。金曜日に「応用物理学の将来ビジョン - 2040年に向けたアカデミックロードマップ」というSymposiumに出席しました。写真に示すのはその報告書です。合計19分野のロードマップが報告されました。そのうち、僕が興味を持って聴いていたのはシリコン技術、有機・分子エレクトロニクス、テラヘルツエレクトロニクス、量子情報・物理とフォトニクスの五つの分野の報告です。つまり、午前中のセッションの報告内容だけです。各分野の先生方が解決すべき課題を時間軸上に並べて、将来を予測するのです。縦軸はサイズ、速度、容量や消費電力などの性能指標です。

30年先のことですから、予測することは非常に難しいでしょう。また、企業の戦略とは違って、学術研究というのは、研究者個人の創造(想像)力で、全く予測できないところから、新しい方向が生まれることの方が多いので、ロードマップはそんなに重要な役割を持たないような気がします。また、ロードマップに縛られるようなこともないでしょう。とは言え、残された課題がこのような形でまとまっているだけで、十分に意味があると思います。

残念なことに量子情報・物理の分野のロードマップは結構ひどかったと思います。何も具体的なこと一つありません。すべての課題を一応「難しさ順で」並んでいるだけで、これからは何を目指すべきか、あるいは、なぜこれらの課題が重要なのかは一切示していません。もっと充実な内容を聴きたかったです。他の分野の報告は良かったです。特にシリコン技術の「Beyond CMOS」の考え方が頭に残りました。本当にバイオ、あるいは分子とシリコンと融合できるとさらに面白い展開になると思いました。フォトニクス分野の報告にもいくつか具体的な予測があって、大変参考になりました。それに、電子技術全般は処理速度だけでなく、消費電力を抑えることの大切さもよくわかりました。