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光信号を検出するときに、二つの雑音源が信号の劣化の原因になります。

熱雑音(thermal noise)

これは光検出器(photodetector)の負荷抵抗R_Lによるものです。抵抗中に電子は熱で絶え間なくランダムで動いています。このゆらぎによって、雑音電流i_TNが流れます。雑音電流の平均値はゼロですが、雑音電力はゼロではありません。熱雑音電流の二乗平均は(1)式で与えられます。Tは絶対温度で、Δfは電気の帯域です。負荷抵抗が大きいほど熱雑音電力が小さくなることがわかります。

ショット雑音(shot noise)

これは光検出の量子性による雑音です。光子がやってくる時間は規則的なものではないので、ショット雑音があるわけです。この雑音のことを「量子雑音」とも呼びます。ショット雑音電流の二乗平均は(2)式で与えられます。eは電荷量で、i_dcは検出器の暗電流(dark current)です。i_sは光電流で、式(3)で与えられます。Pは光パワー、P/hfは単位時間にやってくる光子の数で、ηは検出器の量子効率です。

信号対雑音比(signal-to-noise ratio)

信号のパワーと雑音のパワーを式(4)から(7)までのように求めることができます。信号対雑音比を式(8)のように書くことができます。信号のパワーが大きいときに、熱雑音の寄与を無視できるため、このときの信号対雑音比をshot-noise limitedと言います。式(9)になります。熱雑音が支配的な場合では、信号対雑音比は式(10)になります。

信号を検出するとき、信号対雑音比が大きい方が望ましいです。