相次ぐ「大晦日特番」の発表に、失望の声多数… | エンタメ芸能ちゃんねる

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 このところ民放各局の大晦日ゴールデン・プライムタイム特番が次々に発表され、そのたびに厳しい声があがるという状況が続いている。

 まず11月10日にテレビ朝日が『ザワつく! 大晦日』の放送を発表。5年連続の大晦日特番である上に、今回は1時間拡大した約6時間の放送になるという。

 続いて15日に日本テレビが『笑って年越し! THE 笑(ワラ)晦日』の放送を発表。過去の映像から「1番笑った名場面」を振り返るコーナーから、ネタ番組の「エンタの神様」「ぐるナイ おもしろ荘」、「伊東家の食卓」の復活まで約10時間の放送が予定されている。

 さらに19日、TBSが『WBC2023大晦日・生放送スペシャル』の放送を発表。3月に開催されたWBCを選手インタビューや初出し映像などを交えて深掘りし、約6時間の放送になるという。

 そして22日にフジテレビが『逃走中~お台場リベンジャーズ』の放送を発表。今年は旧ジャニーズ事務所のカウントダウンコンサートがないため、年越しを含めて約5時間半の放送が予定されている。

 大晦日の夜は「一年で最もリアルタイム視聴者が多い」と言われる日だけに、どの局も視聴率がほしいところだが、現時点での反応は決していいとは言えない。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけない』シリーズ(日本テレビ系)の復活がない今、業界内では「今年の大晦日も『ザワつく! 』がトップだろう」と見られている。

 それでも『ザワつく! 大晦日』の業界内での評判は良いとは言えず、他局も上記の特番が発表されたとき、ネット上には「大晦日は『○○○』を放送してほしい」というリクエストの声があがっていた。民放各局の思惑や実情に加えて、世間の人々がリクエストする番組の名前をあげていく。

業界内で『ザワつく!』が不評の理由
 まず、なぜ民放トップの視聴率を獲得した『ザワつく! 大晦日』の評判が良くないのか。真っ先に発表したことや昨年の視聴率トップなどからテレビ朝日の自信がうかがえる一方で、業界内の目線は冷ややかだ。

 同番組は57歳の長嶋一茂、61歳の石原良純、55歳の高嶋ちさ子がメインを務める番組であり、「華やかな家庭で育った3人が、遠慮なく言いたいことを口にする」というコンセプトが中高年層に受けている。

 大晦日特番の主要コーナーも、中高層向けのシンプルかつ親しみのあるものを発表。映像を見て作られているものを当てる「工場クイズ」も、ゲストの後藤久美子が飲む3種類のお茶から苦いものを当てる「超苦いお茶はどれだ!?」も、長年使わわれてきたクイズ形式であり、目新しさはない。

 現在、民放各局はスポンサーのニーズに応え、若年層のテレビ離れを食い止めるためにコア層(主に13~49歳)をターゲットに据えた番組を手がけているが、テレビ朝日だけはダブルスタンダード。コア層よりも、『ザワつく! 』のような中高年層向けの番組を前面に押し出すテレビ朝日の姿勢を疑問視する民放テレビマンは多い。

 実際、先週会った民放他局のディレクターとプロデューサーは、「全年齢層が集まる大晦日に『ザワつく! 』をぶつけるのはみっともない」「業界の未来は無視で自分たちのことしか考えていない」「だからテレビ朝日は目先の視聴率は獲れても営業成績が低い」とバッサリ斬り捨てていた。

 すでに『ザワつく! 大晦日』は収録が行われていることも明かされており、大晦日特番の魅力である生放送の臨場感や高揚感がないことも、評判が芳しくない理由の1つではないか。若者向けアーティストの割合を増やした『NHK紅白歌合戦』の視聴者を同じ中高年層狙いの『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)と奪い合う形になりそうだが、仮に視聴率が上がったとしても、テレビ朝日と同特番への評価は変わらないだろう。

 そんなテレビ朝日の姿勢に視聴者もあきらめているのか。『ザワつく! 大晦日』が発表されたときは、ネット上の反応が少なく、「『○○○』が見たい」とリクエストされる番組が見当たらなかった。

 次に日本テレビの『笑晦日』が発表されたとき、ネット上にリクエストがあがっていたのは、やはり『絶対に笑ってはいけない』シリーズだった。さらに「もしそれが難しくても、『ダウンタウンvs Z世代』は無理なのか」という声もあったように、「大晦日はダウンタウンの特番を見て年越ししたい」というニーズが今なおあるのだろう。

 ただ別の視点では、「日本テレビには大晦日特番にふさわしい特番の候補が少ない」という現実がある。日本テレビは民放各局で最もコア層の個人視聴率を獲得し、バラエティが強みの局だが、「レギュラーで安定した視聴率を得ている番組」が多い反面、「毎年高視聴率を獲得している特番」はフジテレビやTBSと比べても少ない。

 また、「レギュラー番組の中には、Xのつぶやきが活発など熱狂的な視聴者が多く、“リアルタイム視聴者の多い大晦日向き”のバラエティが少ない」という声もある。

 たとえば、『有吉ゼミ』『月曜から夜ふかし』『踊る! さんま御殿!! 』『1億人の大質問!? 笑ってコラえて! 』『沸騰ワード10』『世界の果てまでイッテQ! 』らは、レギュラー番組として一定の結果を出しているが、「大晦日特番で見たい」というニーズはあまり聞こえてこない。

 その点、レギュラー番組の中で最もリクエストが多かったのが、TBSの『水曜日のダウンタウン』。日本テレビの『絶対に笑ってはいけない』シリーズが放送されないこともあって、「それならダウンタウンはこっちの特番をやってほしい」「『水ダウ』こそ大晦日にふさわしい」などの熱烈なリクエストがみられる。

 TVerアワードのバラエティ大賞を2年連続受賞しているほか、配信再生数でも毎回バラエティ1位を記録し続けている人気番組でもあり、待望の声があがるのは当然かもしれない。

「名探偵津田」こそ大晦日に見たい
 その熱烈な声に拍車をかけたのが、15日夜に放送された「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説第2弾~完結編」。通称“名探偵津田”の反響は大きく、TVerでも数ある人気ドラマを抑えて1位になる中、4日後の19日に『WBC大晦日スペシャル』が発表されたことで、「『水ダウ』をやればいいのに」「名探偵津田ならかなり盛り上がりそう」などの声があがっていた。

 過去5年間TBSの大晦日は、2018年・2019年が『SASUKE』、2020年が『バナナマンのせっかくグルメ!! 』、2021年・2022年が『THE 鬼タイジ』を放送。特にここ3年はレギュラー放送中のグルメ番組と、「『逃走中』に似ている」と言われるアトラクション番組を選択して「やる気がないのでは?」などと、その姿勢を疑問視されていた。それだけに「9ヵ月も前のイベントである『WBC』を持ち出して大谷翔平の人気に頼る」という選択に物足りなさを感じるのは当然かもしれない。

 そしてもう1つ、リクエストの声があがっているのが、フジテレビの『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』。22日に『逃走中』の大晦日特番が発表されたとき、その前日に12月16日の放送が明かされていた『細かすぎて』を求める声があがっていた。

 同特番は今年初めて1年に2回の放送がされるなど、局内と視聴者の両方でニーズの高まりを感じさせられる。同局の港浩一社長は『オールナイトフジ』『とんねるずのみなさんのおかげです』『とんねるずのみなさんのおかげでした』などで石橋貴明と仕事をしてきた盟友であり、今年「やっぱり、楽しくなければフジテレビじゃない」のコピーを掲げてバラエティに注力しているだけに、今後あり得ない話ではないだろう。

 リクエストされている『絶対に笑ってはいけない』シリーズ、『水曜日のダウンタウン』、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』に共通しているのは、ひたすら笑いを重視し、多くの人々がネット上につぶやいて一緒に盛り上がれるタイプの番組であること。テレビ業界の未来を考えたら、目先の視聴率にこだわるあまり『ザワつく! 』『WBCスペシャル』『逃走中』のような好き嫌いがはっきり分かれるタイプの番組より、これらを選ぶほうがいいのではないか。

 逆にそれができなければ、「大晦日はネットコンテンツを見る」「大晦日はテレビの生放送ではなく、ネットのライブ配信を見る」という人がますます増えていくように見える。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/b615cbefec0713e6f5db16c7d03c8fb16c2a77f6?page=2)

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