糞尿ばかりの民話たち。
みなさまこんにちは。
※画像はお借りしております。
写真はまだ新しい?ですが
昔々はトイレは家の中ではなく外にありました。
ボクは辛うじてまだ見た事があります。
こうした「糞尿譚」を語っていく3人。
こうした話になると
なぜか老爺老婆と犬がよく出てくるよう。
「犬婿入り」はなんで犬に食わせる?
これが3分の1。
残り3分の2は黒史郎氏を交えて糞尿+ひどい話。
ー江戸が火事になって食べるものがないから九州へ行けば食べ物があるんじゃないか?と思い船を仕立てて渡ろうとしたネズミたち。
そうしたら反対側から船がやってきてなんだろう?と思ったら九州のネズミが江戸までやってきて「九州は旱魃がひどいので江戸まで来たら何か食べる物があるだろう」と思ってやってきたー
P87で京極先生がいい声で語るのですが
話のオチはというと江戸が火事で食べ物がない
ことを失望した九州のネズミが川へ身投げ。
その後を追いように江戸のネズミも身投げ。
オチがない救いがない話なのです。
ではなぜこのような話ができたのか?
というと…なかなか寝ない孫へおばあちゃんの攻撃
だったのでは?と。
寝るまで九州のネズミが飛び込んで
江戸のネズミが飛び込んで九州のネズミが
と繰り返す。
こういうのを果てない話というそう。
根負けして孫は寝るか
おばあちゃんは孫が寝るまで続けることができるか
の真剣勝負。
ひどい民話を語る会によると
そもそもこうした民話はシモの話がないと
スカスカなのだそう。
妖怪好きだと誰でも知ってる
民俗学者の柳田國男は元々ロマン派の新体詩人。
それが自然主義文学に被れて郷土史学者へ。
柳田國男は国語学者で農政学者であり
非常に理性的な人なのですが民俗学には
たぎるロマンがある。
そのたぎるロマンにうんこは邪魔❗️
京極先生はここに柳田國男の限界が見えると。
我々が惹かれるのは
そうした彼ら目をつむったり顔を背けたりした部分
にあるわけで、ひどい民話を語る会とはそういう物
である。
と、京極先生は熱弁を奮っているのです。
糞尿譚が多いので
小学校男子には非常に好評なのではないか?
そう思えるのですがそれはそれ。
そうした話のルーツや考察などを
深掘りしたりスカしたり笑い話にしたり呆れたり。
やっぱり大人の読み物です。
インタビュー形式の口述本なので
読みやすいのも助かります。
マジメに糞尿を読まされると困る。
最後に
オススメの民話まで教えてくれているという
親切ぶり。
この調子だと
「平山夢明さんを語る会」
という一冊が出来そうだ。
それはなんだ?誰なんだ?と思ったら…
読んでください。