■2019年の(確か)2月16日、ケガをして右膝の前十字靭帯を断裂、内側半月板を損傷しました。

 

それからちょうど5年が経過したことになります。

 

5年というと、長い気もすれば、あっという間という気もしますが、大病では「5年生存率」という言葉が出てくるように、5年という期間には、何かしらの意味があるというのも納得させられます。

 

もちろん、靭帯断裂が自然治癒することはありませんし、半月板も割れたままです。

 

しかし、正座や急な方向転換、ダッシュ&ストップなどをやらないようにしている以外は、普通に歩いたり走ったりして、日常生活を送っています。

 

受傷から1年くらいは、基地外じみたリハビリをしていましたが、ここ1年半くらいは、重い重量を使わず、現状維持を目標に自重トレーニングにとどめていました。

 

■しかし、先月くらいから、右膝に違和感を感じるようになってきました。

 

痛い訳ではないのですが、とにかく腫れぼったいような変な感じがするのです。

 

例によって、鍼を打ったり、骨のズレを矯正したり、膝蓋下脂肪体のリリースを行ったりと、色々やっているのですが、どうにもスッキリしません。

 

こういう時は、リハビリを通じて開眼したある事をすれば、きっと良くなるのですが、そのための道具を持っていないので、よそに予約を取って出かける必要があります。

 

その手を考えもしましたが、やはり自分で何とも出来ないのは治療家としては恥ですので、別のアプローチを試してみることにしました。

 

■それは、重い重量でトレーニングするということです。

 

調子が悪いとなると、負荷をかけるのを控えるのが普通なのでしょうが、私が思いあたったのは、以下のようなことです。

 

重い重量を使わない維持モードでの運動(ルーチンワーク)を繰り返していると、使う部位が限られてしまうと思うのです。

 

これに対して、限界までの重さを挙げようとすると、普段では使わない筋肉や神経系をフル活用する必要が出てくるはずです。

 

過重な負荷を関節にかけないようにしようと思い、1年半ほど自体重による加速度トレーニングを中心に行ってきた訳ですが、その結果、4年ほど前にはレッグプレスで200kg挙がっていたのが、いまではせいぜい160kgしか挙がらないのです。

 

維持モードのつもりで行っていた運動では、維持など出来ておらず、20%以上も能力が低下していたというのが事実です。

 

つまり、還暦近くなると、衰えも加速がついているようで、維持しようという程度の運動では、下降曲線に打ち勝つことも出来ないことを、1年半の人体実験を通じて体で味わいました。

 

1年半も重い重量を使っていないと、レッグプレス100kg程度でさえ、「えっ、100kgって、こんなに重いの?」という感じになりました。

 

現在は徐々に重さを増やしていき、先日は調子が良くて180kgが挙がりましたが、まだその程度が限度です。

 

■さて、肝心の膝の具合ですが、重い重量を扱うようになってから、明らかに良くなりつつことを実感しています。

 

その理由は、先に述べたように、おそらく自重程度では参加していなかった弱った筋肉が刺激され、少しずつ働くようになりつつあるからかもしれません。

 

運動に参加しない筋肉(=サボっている筋肉)が働くようになると、サボり筋をカバーすべく、余計に働いていた筋肉の負担が減り、荷重を色々な筋肉で分担できるようになることで、私の場合は右膝ですが、そこに感じていた違和感が低減(分散?)したのではないかと考えています。

 

■理屈はどうでも良いのですが、違和感があるからといって休ませたり、マッサージだの超音波だのといった療法をやったところで、急速に改善したとは思えない自分が居ます。

 

無理して運動すれば良くなるという訳では決してありません(←大事!)が、負荷をかけることでサボり筋に目を覚まさせるという考え方は、あなどれないような気がします。

 

もちろん、皆様にこういった荒治療を勧める気は全くありませんが、人体にはこういう側面もあるようです。

 

いずれにせよ、人生の下り坂に打ち克つには、相当の努力や辛抱が必要だと改めて痛感している次第です。

 

※「不適切にもほどがある」にならないように、控えめな表現だけを使うように心がけています。本音の10%程度しか申し上げられないので、物足りないと思いますが、ご了承願います。