「眠 り」
言ってみれば 善意も
毒の一種類だ
ひるまの日射しの毒を飲んだ をとこは
夜 アルコールの毒で丁寧に消毒し
疲れ果てて いま眠っている
しめ忘れたベランダの窓から
風が吹き込み
しめ忘れた浴室の窓から 風は
しのびやかに吹きぬける
つまり ここを支点とし
南から北へ吹きぬけたことになる
測量計を忘れた測量士は
何を忘れたか 忘れてしまい
窓から吹き出す風に いきおいよくのり
風にのった 測量士は
スットンと 地に墜ちる
青白い一瞬の出来事だ
その一瞬の 毒かも知れぬ出来事を
口をモグモグさせながら 飲み込み
をとこは 眠っている