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正木明1の1(はじめ)

八十歳(2014)になって、「老いのうた」のタイトルで詩作を始めました。すっからかんの音と色と詩と・・・・・・・

 

             「眠 り」

 

                言ってみれば 善意も

                    毒の一種類だ

         

       ひるまの日射しの毒を飲んだ をとこは

      夜 アルコールの毒で丁寧に消毒し

      疲れ果てて いま眠っている

 

       しめ忘れたベランダの窓から 

       風が吹き込み

       しめ忘れた浴室の窓から 風は

       しのびやかに吹きぬける

       つまり ここを支点とし

       南から北へ吹きぬけたことになる

 

       測量計を忘れた測量士は

       何を忘れたか 忘れてしまい

       窓から吹き出す風に いきおいよくのり

       風にのった  測量士は

       スットンと 地に墜ちる

       青白い一瞬の出来事だ

       その一瞬の 毒かも知れぬ出来事を

       口をモグモグさせながら 飲み込み

       をとこは 眠っている