今年は先日来日公演を成功させて、あの名作「RISING FORCE」発表から40周年を迎えた王者「イングヴェイ・マルムスティーン」を取り上げてみたいと思います。

私も5/11東京公演に参戦しましたが、正に王者の貫禄に圧倒されましたおねがい

マーシャルの壁をバックにフェンダーストラトキャスターを巧みに操るそのパフォーマンスは本当にカッコよくて、イングヴェイのライブに参戦出来て本当に良かったです照れ

 

ここから本題です。

80年代初頭はイギリスから登場したNWOBHMムーヴメントがヨーロッパやアメリカまでにも飛び火して、ジャーマンメタル、LAメタル、北欧メタルなどが登場していました。スウェーデンを中心に登場した北欧メタルは特に日本人に人気が高く、マイナー調メロディとクラシカルな雰囲気が日本人の琴線に触れたのだと思います。

イングヴェイもその中から登場した一人なのかと思っていたところ、このソロデビュー作が全てを変えてしまったのです。

yngwie.j.malmsteen

HR/HM界に「ネオクラシカル」と呼ばれる新たなジャンルをたった一枚の作品が創り上げてしまった。そしてそのフォロワー達の追随を一切許さない程の孤高の存在となるきっかけとなった作品と言えるでしょう。

インストゥルメンタル(インスト6曲、ヴォーカル曲2曲)を中心としたこの作品、(その1)クラシックで使われるコードを導入してクラシックとHR/HMを高次元で融合した楽曲、(その2)ギターをヴァイオリンを演奏するイメージでピックをヴァイオリンの弓のように多弦を一度の動作で奏でる”スウィープ奏法”という今までにない奏法を編み出し、それを駆使した超高速フレーズによる表現力の凄さ、この2点こそがイングヴェイがHR/HM界与えた衝撃です!!そしてHR/HM界に「ネオクラシカル」が誕生した瞬間でもあります!!!

(Kelly SIMONZさんによるスウィープ奏法の解説動画より)

当時はこれらの楽曲を聴いただけでは、イングヴェイがどのように演奏していたのかすらわからなかったそうです。

 

その後はヴォーカリストを加えた自身のバンドを従えて活動してきましたが、2012年に発表された作品「Spellbound」からインストゥルメンタル曲を中心としてヴォーカル入りの曲はイングヴェイ自身が歌うというスタイルでの活動に切り替えました。当時は何で専任のヴォーカリスト入れないのか?とか疑問を感じつつも、やっぱイングヴェイの作品を聴きたくなりその後の作品もしっかりゲットしておりました。そして現時点での最新作「Parabellum」ではインストゥルメンタル曲を中心なスタイルは変化がないもののヴォーカル曲も増えたのですが、当初違和感を感じていたイングヴェイのヴォーカルにも以前ほど感じなくなりました。

今のスタイルになってからの作品はイングヴェイ自身が作曲、作詞、ドラム以外の楽器の演奏、プロデュースとほぼ全てを一人で創り上げ、インストゥルメンタル曲とイングヴェイが歌うヴォーカル曲で構成される作品となっています。今のスタイルになってからイングヴェイの作品が出る度に、専任ヴォーカルを入れたバンド形式の方がいい、プロデュースを他の人にさせた方がもっといいギターフレーズやサウンドが作れる、など意見を言われる方々をSNSなどで見かけます。

でもそれはその人がイングヴェイに求めていることであって、アーティストとして現時点で表現したい作品は今のスタイルだとうことを受け入れられないからだと思います。私も以前はバンド形式でやった方がいいと思っていた一人です。でも最新作「Parabellum」を聴いた時に、今のイングヴェイがやりたいことがこれなんだ!と妙に納得出来ました。今回ライブ参戦に際して「Spellbound」、「World On Fire」も聴き直しましたが、発売当時に感じた違和感は消えて作品の素晴らしさを改めて感じることが出来ました。

次回の作品では、専任ヴォーカリストを擁したバンド形式で作品を創るかもしれないですし、今のスタイルを踏襲するかもしれないですが、それはイングヴェイ自身が決めることであって聴く側はそれを受け入れるか否かだと思います。ただ未だにそのような論争が起こると言うことはイングヴェイに40年も渡りたくさんのファンに愛されていて、イングヴェイに素晴らしい作品を創り続けて欲しいという期待の表れではないかと思います。

 

ではではウインク