忘れたくないこと(ENOLOG)

忘れたくないこと(ENOLOG)

忘れたくないことを書きます。

Amebaでブログを始めよう!

 

https://www.buzzfeed.com/takumiharimaya/r25?utm_term=.qmJ2OQA8L#.xnza3Rz7J

 

寝ても覚めてもR25のことばかり考えてた25歳から30歳でした。

 

ぜんぜんブログかけてなかったのですが、

僕にとってあまりにも大きな存在であったR25の終了ということで、

インターネットの片隅に記録を残すという意味でブログを書いてみようと思います。

 

【R25がいかにすごかったか】

 

もう当時のこと覚えてる人もあまりいないと思うのでメモを残します。

 

・街の風景を変えた。

電車にのってるサラリーマンが木曜日はみんなR25を読んでた。信じられないかもしれないけど、みんな電車ではスマホをみてなくて、R25とか本とか読んでたんだよ。

 

・人を動かした。

R25で紹介する本がやたら売れるので、

本屋の養成で、本の紹介の予定を事前にながして、本屋が仕入れにいかすようになった。

大型タイアップをやったクライアントのコールセンターが本当に鳴りやまないなんてことがあった。前職の経験でかなり雑誌も新聞も30億くらい出稿したことあるけど実際に目に見えて反響が出る紙メディアなんてなかった。

 

・広告の未来にチャレンジしてた。

最近議論されてる広告のクリエイティブのチャレンジはすべてやってたと思う。

分散型メディアも、ネイティブアドも、戦略PRも、スポンサードコンテンツも。

広告がコンテンツに紐づいて、コンテンツと一緒に流通する世界をチャレンジした。

少なくても世の中のタイアップ広告の基準をあげることには寄与してたんじゃないだろうか。

 

・カスタマーの人生をちょっとだけ変えた。

「僕にとって世界への窓です」というようなことをいってる読者の声が強烈に印象にのこってる。世の中で起きていることを、わかりやすく、そもそも論を解説しているメディアがなかった。

社会に関心をもつきっかけになってた。専門分野のライターさんが書くのではなく、サブカルのライターさんが咀嚼して、自分でもわかるように政治経済の記事を書いてた。

 

 

【個人的な悔しさについて】

 

R25は、小林大祐さん、田端信太郎さんのペーパーポータル構想というバカみたいな(だって紙Yahoo!構想ですよ。ぶっとんでる。)、

 

でも、この15年で見たどの企画よりも、

野心的でワクワクする構想からはじまっていて、

 

(ちなみに、小林さんはその後、就活偏差値構想をぶちあげたりと、

信じられないくらいクリエイティブな構想を立てる人だった)

 

田中耕介さんの破天荒なマネジメント、電通の内田さん、高田さんのコミットメントと、

藤井大輔さんという天才編集者の奇跡的な出会いで事業が垂直で立ち上がった事業だった。

 

僕は、中途でリクルートにはいったばかりで、

経営企画部門の事業オーディットという微妙なかかわりだったけど、

この立ち上げを近くで、でも微妙に客観的な立場で、

見ることができたのは大きな財産だった。

 

その後2年して、

小林さんも田端さんも田中さんも去ったR25にジョインして、

 

諸先輩方の意志を勝手に継いで、R25を100億の事業にしようと、

(なんの権限もないペーペーの若手でしたが)

 

20代後半のエネルギーをすべてつかって、

いろいろな試行錯誤をしてた。

 

でも、

 

なにより悔しいのが、

モバイルになることも、

フリーペーパーが過渡期のビジネスであることもわかっていて、

そのための試行錯誤も行ってきたけど、

結局僕らには強固なビジネスを創ることができなかったという事実。

 

今の自分だったらどうしてただろうかと毎年考えてる。

 

【R25のミッションステートメント】

 

僕は、R25のミッションステートメントが本当に好きでした。

最後にミッションステートメントを記録として残しておきます。

 

 

R25とは、

「第2の成人」を迎えるための教科書である。

 

25歳から34歳のR25世代は、社会人として思春期にある。

自分と向き合い、社会と向き合い、仕事と向き合うことで、

自らの殻を打ち破り「第2の成人」を迎える時期といえよう。

 

ところが、これまでの常識や価値観がどんどん変化していく

現在において、閉塞感や不安感を持つR25世代は多く、

殻を打ち破るだけの「勇気」や「自信」を持てずにいる。

 

R25はそのサービスを通して、R25世代と同じ視点に立ち、

「氾濫する情報の中から必要なものを選択するセンス」と、

「好奇心を持って新しいことに挑戦するスタンス」を、

読者と一緒に培っていきたい。

 

25歳からの10年間をR25とともに悩みながら進むことで、

35歳からの40年間が自分らしく楽しく生きられる。

R25を卒業した読者が、そんな人生を送れるようにと願って。

 

 

R25、本当に本当にありがとうございました!

 

 

 

____

 

 

(お知り合いの皆さま)

 

というか、

おまえの事業は結局どんなことやってるんだっていうのが、

全然報告できていないですね。

 

サービス立ち上げてちょうど1年くらいで、いよいよ盛り上がってきました。

近々ご報告します。

 

 

 

 

 

注:本記事は非常にマニアックかつ、超長いエントリーです。ごめんなさい!


起業する際、いくつかの事業テーマを考えていたんですが、ついメディア運営を選んでしまいました。

いい歳したおっさんが起業するにはBtoBが定石で、
(そういうテーマもなかったわけではない)

馬鹿なんじゃないかと方々で言われました。

それでもなぜメディアを選んでしまったか?

それはもう好きだからとしか言いようがありません!

いよいよ本格的に運営がはじまるタイミングなので、初心を残すという意味で、メディアビジネスの何に魅力を感じ、どういうチャレンジをしていると思っているのかを、書き残しておきたいと思います。

どうかこの初心を忘れませんように。


メディアビジネスのどこが好きか?

*ここでは、メディアという言葉を、狭義の、送信者1:受信者Nのメディアを想定してつかっています。(CommunityやTool型のものを含んでいません)


シンプルにいえば、

『メディアは産業の進化にダイナミックに貢献できる』


ところです。

どういうメカニズムかといえば、

『消費者ニーズを明らかにして、産業にはたらきかけることで、オープンでフェアな競争をつくり、供給を変え、産業の進化を促す』

ということだと理解しています。


たとえば、とらばーゆ。

最初から多種多様な仕事が掲載されていたわけではありません。

当時珍しかった女性のフルタイムの営業職の募集に応募が殺到し、そこから採用した人が活躍し、その事例をもって、一社ずつ企業を口説いていき、女性向けの多様な転職の機会が定着していったそうです。

情報誌というメディアの中で、ユーザーニーズが可視化され、ユーザーニーズを武器に、一社ずつ供給をかえていったことが、産業の進化につながったということだと思います。


雑誌時代の、リクルートの情報誌は、見えにくいマーケット全体を示す疑似市場のような役割があり、疑似市場の中でのユーザーニーズが可視化されていました。

そして、リクルートの歴史は、こういったユーザーの声で、産業を変えていった事例にあふれていて、

諸先輩方々から、神話のように聞かされていたこういったお話しはとても影響を受けました。


たとえば、VERYの電動自転車プロジェクト

参考記事はコチラ

おしゃれなママが増える中、毎日使うのに最後までダサいまま残っていた、ママチャリ。
読者の不満を聞き、VERY編集部から、自転車メーカー各社に働きかけ(!)夫婦で共有できるハンサム電動ママチャリとして、HYDEE.Ⅱをリリースし、大ヒットさせています。

(そしてリアルに湾岸の保育園はHYDEEだらけです。)

そして、何よりすごいと思うのが、オシャレな電動ママチャリというカテゴリーが認知され、今では、多くのメーカーが参入して、電動ママチャリの水準を押し上げているところです。



こういった動きは、特定産業でサービスを供給するプレイヤーでも、コンサルタントでもなく、

ユーザーのニーズを最も知っている

(そして田端さんが言うところの予言の自己実現能力が一定程度存在する)

メディアという立ち位置だから実現できる、使命のようなものだと思います。


赤すぐのママ営業マンが、ホットペッパーの若い女子社員が、取引先の社長に自分の体験から(しかも断定的に!)改善を提案し、商品のデザインや、居酒屋のメニューを変えてきている現場を何度も見たことがあります。


まだまだ日本の産業界は男性が中心で、ユーザーとかけ離れた人が供給サイドの意思決定をしていることが多くて、だからこそ、ユーザーニーズの代表としてのメディアに存在意義があるんだと思います。


(一般的なニュースメディアは、世の中一般を対象としているので、上記のような価値は認識されにくいものかもしれません。

でも、少なくても昔の新聞は、世論を伝え、社説を主張するなかで、知識層を動かし、実際に政治を変えていた側面があったのではないかと思います。)


メディアビジネスのどこが難しいか?

ネットでコンテンツの流通量は爆増した

一方でメディアをビジネスとして成立させるのは、特に今の時代、すごく難しいといわれています。

いうまでもなくインターネットの影響なのですが、どういう影響なのでしょうか。

発信の参入障壁が劇的に下がって、単純に注目が分散しているというのは、可処分時間のシェア低下として説明できる面はあると思います。

でも、たとえば、紙メディアがネットで発信も始めている場合、実は自社のコンテンツを届けられている人数の総数は大幅に増えているんじゃないでしょうか?

メディアには、コンテンツと流通の二つの側面がありますが、
コンテンツに関していえば、ネットの普及によって圧倒的にユーザーに届けやすくなっています。


たとえば雑誌の1コンテンツはその発行号の流通に限定されますが、ネットのコラムとして配信していれば、10年後に検索経由でユーザーに届くことも、ソーシャルで拡散して思わぬ人まで届くことも、ニュースサイト経由で広く届けることもありえます。


一昨年起こっていたまとめサイトの急増も、分散型メディアの議論も、おそらく今年ブレークするコンテンツのユーザー課金も、コンテンツを作ると流通させやすい=ユーザー規模を短期に拡大しやすいという流れだと思います。

ということは、すごくチャンスなんじゃないか?と思われるかもしれませんが、

そう、すごくチャンスなんです!という面と、全然そんなことないです!という面が両方あります。

チャンスなのはなんといっても、頑張れば短期間で多くの人に自分たちのコンテンツを見てもらえるようになる可能性があることで、実際にそういう事例がたくさん出ています。少なくても10年前は考えられなかったようなことです。

ただ、そんなに簡単でもありません。

いくらユーザーを集めることができたとしても、マネタイズがすごく難しいからです。


一方、WEBでメディアが広告で儲ける難易度は高い

メディア企業というのは、TV局、新聞、雑誌社にしても、給与水準が高いイメージもあり、人がいっぱい見ているメディアはすごく儲かるんじゃないか?と思われる方も多いかもしれません。

でも、ネットのメディアは人が見ているだけでは儲かる構造になりません。

たとえばですが、前職の某メディアで1000万UUまで頑張りましたが、紙メディアの1/10以下の売り上げしかあげることができませんでした。

なぜか?

それは流通を持っていないからです。

コンテンツを検索、ソーシャル、ニュース配信というプラットフォームに最適化することで、ユーザーに届けることはできても、あくまで他のプラットフォームの流通にのっているだけです。

ある記事を読みに来たユーザーは、能動的にメディアの記事を読みに来たわけではなく、たまたまたどり着いたユーザーです。たまたま来た人に記事とあまり関係のない広告を出しても人の行動に影響をあたえることは難しいです。

雑誌を手に取った人は、意思をもってコンテンツを探し読もうとしている読者です。そのため、広告の情報であっても、読者に影響をあたえうる情報でした。


基本的に広告主は、メディアの影響力にお金を払っています。


広告を出すことで、サイトにきてほしかったり、インストールしてほしいという直接的な行動や、
好意度を高めたいというような態度変容効果を期待しています。

ユーザーが能動的にコンテンツを探しにくる場所にならない限り、コンテンツそのもの以外に影響力を持つことができません。

そして、ネットではコンテンツ流通は検索、SNSなどのグローバルプラットフォームとニュースポータルに独占されてきました。

ブランドを高めて、なんとかTOPページにユーザーを呼び寄せたいと考えても、さすがにそんな風にはユーザーの行動を変えられません。

そのため100億以上の規模の広告売り上げをつくれていたメディアは、ネットではユーザーがまず見に行くようなヤフーや検索やSNSだけで、非常に二極化している構造になっていました。

(逆に、独自の流通を持つラジオ局、新聞、TVでは、今でも広告売上が100億いっている会社はいっぱいあります。)

だから、
マスメディアの人がネットメディアを運営すると、

ユーザーは増えてるように見えるけど

(でもわざわざ見に来るユーザーはそんなに増えていない)、

広告単価は下落しているようにみえ

(広告主に返せる広告効果が実は紙などの既存メディアの全盛期より落ちてる)、

ネットで、メディアは全然儲からないね

という構造になっているように思います。

まして、独自の流通を持たない以上、ネットメディアで、予言の自己実現を狙えるほどの影響力も、産業の進化に貢献できるような影響力を持つことも期待できるはずもありません。


で、どうするの??



上記の環境を踏まえて、代表的には下記の3つのチャレンジが試されているように思います。(あとはメディアコマースでしょうか。)

①規模の圧倒的な拡大で、広告の低単価を凌駕するシナリオ

プラットフォームの流通にのってとにかく規模を拡大し、規模の拡大が、低い広告単価を凌駕するというシナリオです。NAVERまとめにインスパイアされた、まとめメディアや、Buzzフィードにインスパイアされたバズメディアはこの流れでしょうか?

確かに、NAVERまとめのような7000万UU!というレベルの規模がとれれば、十分大規模なビジネスになりそうです。

②動画というリニアなコンテンツを広告とセットにして流通させるシナリオ。

NowThisやBuzzフィードもこちらが中心になるでしょうか。動画はテキストコンテンツと違い、リニアなコンテンツであり、少なくても、強制視認はさせることができます。既存の流通プラットフォームを活用しつつ、広告効果を担保することができるかもしれません。


③プラットフォームでコンテンツを見せ認知させることで、ユーザー課金につなげるシナリオ

コンテンツを流通させる中で、コンテンツの魅力やレベルを伝えていき一部コンテンツや、コミュニティの参加を課金していくというシナリオ。回線やレシピ検索という利便性に価値をずらして課金するのがこれまでの定石だったので、直接コンテンツに課金するながれがどこまで拡大するかはすごく興味があります。


さて、では僕らはどうするか。


どれもチャレンジングで面白いと思いますが、ユーザーニーズを可視化して、産業の進化に貢献するような新しいメディアの形を模索したいので、上記とは別のシナリオを考えています!




じゃあ、それって、どういう仮説なの??







そう思っていただいた方、
ぜひ一度、ランチやお茶でもしながらディスカッションしませんか??


(ごめんなさい!!このエントリーでは書きません。。。)


こんなに長い、マニアックな記事を最後まで読んで、しかもちょっと興味をもってくれたあなた!

きっとすごく話が合うんじゃないかと思います。

本日からWantedlyも開始しましたので、↓から気軽にご連絡お願いします!!


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そして、榎本の友達ということで、しぶしぶ最後まで読んでいただけたあなた!

ぜひこのエントリーを、ソーシャルでシェアしてもらえませんか??

今年のテーマは仲間づくり!ということで、このテーマに関心がある、ちょっとでもいっしょに盛り上げたい人を探しています。


もしかすると、友達の友達に同じような課題感をもってる人がいるんじゃないかと思っています!


どうか、どうかご支援のほどをお願いします!

インターネットの奇跡、信じています。




↑の写真は、実家の部屋から見た初日の出です。


2016年はじまりましたね。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

さて、時間が経つのは早いもので前回退職のご報告をしてから、
すっかり1年近くたってしまいました。

4月に法人化して、オリジナルライフ株式会社を設立しました!

ライフイベント領域に特化したスマホ向けのメディア事業の立ち上げを行っています。

前半はなかなか、上手くいかないことも多く、
小さい実験をくり返して試行錯誤していました。

後半はある程度手ごたえある方向性がみえ、
(とはいえ、まだまだ試行錯誤ですし、全然変わっちゃうかもですが。)
ようやく、今年はプロダクトもリリースして運用も開始するので、
もっとオープンに、皆さまの知恵をお借りしながら進めていきたいと思っております。

さて、年末に機会をいただきバックグラウンドの違う4人で行う振り返り会に、参加させていただきました。

その際にも、改めて感じたのですが、やはり年初の目標を言語化していた方が、
振り返るときに、期初どう思っていたかもはっきりとしていいと思いました。

昨年はかなり具体的な目標はおいていたのですが、
抽象的なスタンスに近い部分での目標はおいていなかったので
スタンス的な目標を置いてみたいと思います。

今年の目標は、『徹底的にやり切る』です。

社会人3年目みたいなテーマですが、
昔のように、無限に時間を投下することができない環境なので、
改めてこのテーマを意識したいです。

頭がはち切れんばかりに、徹底的に考え抜き、他の可能性がないくらい、
徹底的にやり切りたいと思います。

自分に言い聞かせる言葉としては、
「それで、本当にやり切ってるのか??」でしょうか。

皆さまにおかれまして、ぜひ、榎本と話すときは、
折に触れ、上記の質問を投げかけていただけますと幸いです。

それでは本年もよろしくお願いします!

榎本純

【ご報告】

1月末に10年勤めたリクルートを退職しました。

在職中は、本当に多くの方と出逢い、泣き、笑い、
10年前にリクルートに転職したときに
期待していた以上の非常に濃い10年間となりました。

一緒にお仕事をさせていただいた皆様、
本当に、本当にありがとうございました。

退職エントリーを読むのは、個人的に好きだったのですが、
いざ自分が書くとなると何を書くものか非常に悩んでしまいました。

結論、諸先輩方から何を学んだかを書くのが、
僕にとっても総決算になり、諸先輩方への感謝にもなり、
もしかしたら、リクルートにこれから入る人にも、
ほんの少しは参考になるかもしれないということで、

ベタベタですが、
「リクルートで学んだ10の教え」を書きたいと思います。

ちょっと長くなってしまいましたが、
お時間あるときにでも、ご笑覧いただけますと幸いです。

注:筆がすべって、ものすごく、ものすごく長くなりました!
ごめんなさい!ごめんなさい!


1:戦略より戦闘。考えるために行動する

僕がこの10年で経験させていただいたことは、
ほぼ新しい事業をどう立ち上げるかという仕事でした。

そして、うまくいくときと、うまくいかない時で、
一番差が出たのがこれでした。

仮説をつくるのも、業界の勉強するのも楽しいので、
内部で議論ばっかりしてるとわりと失敗して、
数少ない上手くいったことは、
すべて議論を保留してまず行動したことに起因していたなと。

考えることに意味がないっていうより、
事業の立ち上げ時は、情報は基本的に全然足りないから、
情報を集め考えるために、まず行動しろっていう意味だったと思います。

まず売ってこいと。

2:『それは何を公平にする戦いなんだ?』

新しい事業の話をするときに、一番驚いたのは、
事業の筋の良さや、ビジネスの本質を議論するときに、
産業にとって意義の議論を重視することです。

そういう組織風土が、
機会損失させている面も多分にあるかもしれませんが、

(たとえば初期にいくらでも話があったのに、
ソシャゲに入れなかったのはケイパビリティの面では、
痛手だと思います。)

僕はリクルートのそういった風土が好きでした。

行動して、考えた情報を、社会の価値でとらえなおす。

意外なほど青臭いことを、
いい歳したおじさんが話してるのは、嫌いじゃありませんでした。

3:右手にロマン、左手にソロバン、こころにジョーダン

10年前入社する時に読んだ、くらたまなぶさんの言葉ですが、
実際、各所に残っているスタンスだと思います。

『道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である』 二宮尊徳


4:カスタマーの人生を愛す。

世界一の編集長と長く仕事をさせていただき一番学んだことです。

リクルートは一般的に営業=供給側が強く
生活者を見ていないという批判も時々見ますが、
カスタマーマーケティングが秀でて上手い人が
時々いるので、歴史としては、
カスタマーマーケティングも強い会社なのかなと思います。

よく語られる「イタコ化」するくらい
多くのカスタマーに会うのはもちろんなのですが、
本当にすごい人は、「カスタマーの人生を愛してる」んだなと思いました。

インタビューで恋バナまでしてるのははじめてみました。

個人の人生の悩みや逡巡にまで、
深く、深く共感する姿勢は「愛」だと思いました。

5:伝えることは戦いである。

『知ることは力である。伝えることは戦いである。』 フランシスベーコン

リクルートの中には時々
「伝えること」だけをミッションとする仕事がありました。

メディアの経営陣で決めた
事業のビジョンや戦略をどうやって組織の隅々まで伝え、腹落ちさせるか。

『おれの仕事の8割は、キックオフだ』
と断言する経営者もいました。


どうすればチームで泣けるか?


仕事に誇りをもてるか?


事業の社会的な価値を
常に伝えるコミュニケーションに投資すること。


「リクナビは、おれが創ったというやつは五十人以上いる」

これは、僕がもともといた広告業界では
「アレオレ詐欺」と揶揄される現象ですが、

リクルートでは、その事業の勲章でした。

それだけ、多くの人が自分ごととして仕事してきた証拠であると。


全て広告で出来ている在りし日の
『情報誌』というビジネスモデルのすごさは、

「自分がこのクライアントから受注したから、
あの情報を読者に届けることができた」と

営業が、クライアントが
メディアを一緒に創っている構造にこそあります。

クライアントが
『読者のために8P出稿します!』
というメディアの構造の妙。

(マス広告が出自の僕はかなりびっくりしました。
そしてもちろん今、この構造はつくることはかなり難しいですが。)


6:量が質を創る

これは色んなシーンで実感しました。

身近なところでいえば、
1万時間の法則のような
個人のスキルとしての仕事量が、結局、質をつくると。

リクルートの中の人は、
仕事の報酬は仕事ということに実感がある人が多いのではないでしょうか?

20代の時にかけた労働時間は決して裏切らない。
(今はこんなことを言うと怒られるのかな。)

事業でも、

かなり無理やりでも、
まずは量をおさえることを優先するシーンがかなり多くて、
個人的には、品質にこだわるべきと思ったことも多かったのですが、
これは、だいたい僕の考え方が間違っていたように思います。

ビジネスの種類によるのだと思いますが、
リクルートがやっている領域は、
多くは突き詰めると「シェア」のビジネスであり、
No1にならないと死ぬということを経験的に知っているからだと思います。

量が物事を動かし、質すら伴っていく(こともある)というのは、
リクルート経験前には考えもしなかった学びでした。

(ただ、「質をあげにいくフェーズ」は
意思決定が難しくなるので、ここは落とし穴だと学びました。)


7:変化は常に正しい

世の中で起こることは、それ自体が正しいので、
それは120%受け入れて、先に進むかしかない。

ほぼ↓で語られてましたね。

世界は落下している


8:フィードバック!フィードバック!フィードバック!

組織風土の一番の要は何かなって考えると、
徹底的なフィードバック文化にあると思いました。

すごく些細な物事を決めるときでもアンケートをとる。
360度評価とかそういう組織的なものもありますが、
非公式の飲み会でも、あらゆる場所で、
年間に何度も、濃く、「おまえはここがダメ。ここがイイ。」と語られる。

やめる直前、最初の10年の江副さんの文章を
いっぱい読ませていただく機会がありましたが、

実は創業事業の『企業への招待』の1回目の納品時点から、
アンケートをとっていて、
専門家に設問設計まで依頼しているというこだわっていました。

とにかくアンケートが多い会社だと思います。

そういえば、退職挨拶メールで、
自分の仕事ぶりのアンケートをつけてきた人もいましたww


9:見えないバトンを勝手に受け取る

5があるからでしょうか。

リクルートはすごく社内の歴史を
解説した情報が充実しています。

僕はそういった類の本が好きでかなり読みました。

自社のサービスの歴史好きな人多いように思います。

やっぱり歴史を知ると、事業のこと、会社のこと好きになります。

(そういえば、失敗の歴史はあんまり残っていないですね。)

10:自ら機会を創り、機会によって自らを変えよ


あまりにも有名な言葉ですが、前提としてあるのは、
常に成長し続ける、変化し続けるという意志、というか価値観です。

入社した時は、
積極的に変化して、成長し続けたいという価値観を
僕が持つとは思っていませんでした。

振り返ると、良くも悪くも、
すべての異動を自分で決めてこれたことは、
幸運だったと思います。

(正確には一度だけ尊敬する
先輩に決めていただいた異動がありました。
そこで大きく成長できたと思っていますが、
まさに、自ら立候補すべき異動でした。)

変化し続けるために、自ら機会を創らなければいけない

という価値観を持てたことが、この10年で一番の学びだと思っています。


かなり長くなってしまいました!
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

この10年間お仕事ご一緒させていただいた皆様、
本当に、本当にありがとうございました!!

本当に充実した10年でした。



で何するの??


さて、榎本ですが起業します!

起業すべきでない理由は、
本当にいっぱいあげることができて、

(そもそも35歳で、0歳の赤ちゃんがいるまともな大人の選択ではない)

かなり逡巡していましたが、

『諦める理由を探しているうちは、諦めるのは卑怯でないか(『宮本から君へ』)』

というのと、何より、

『幸運にも、挑戦できる環境にいるのに、挑戦しない人生でいいのか』、

ということで、

不確かな未来へ舵を切ることにしました。

この挑戦を快く応援してくれた妻には本当に感謝しています!


さて、事業のテーマは、

「消費者ジャーナリズムで産業構造を変える!」

です。

詳しくはまたご報告させてください!!
(このテーマにピンとくる方いればぜひ飲みましょう!)

35歳で0歳の赤ちゃんがいて、
売上もユーザーもゼロからの挑戦ということで、
かなりドキドキしていますが、頑張ります!!!

今後とも、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いします。

榎本純
【ご報告】 3月3日に子供が生まれました。

「桃」といいます。

女の子の健やかな成長を祈る桃の節句に生まれたので、
健康に育って欲しいという願いで「桃」にしました。

生まれてすぐに、10分間呼吸が出来ず、NICUに搬送され、
3週間入院するということがあり、非常に心配な毎日でした。

はじめて、泣き声を聞いたときは、
うれしくて、うれしくて、病院で泣いてしまいました。

先週、無事退院ができ、全てに感謝しました。

いまは、毎日の夜泣きも、ミルクも、おむつ替えも、
本当に大変だなと思いながらも、この当たり前が、すごくうれしいです。

母はこうやって僕を育ててくれたのかなんて考えて、
なんだかすごいなと思いました。


大学1年生のとき、知り合った人が
『この子のために、私は世界をよくしたい』って言っていたことを思い出しました。

その時は、ふーん、と思っただけだったのですが、
病室で、頑張る桃を見た時に思ったのは、

『桃のために、この世界をもっと、もっと素敵で楽しい世界にしたい』ってことでした。

きっと全てのお父さんはこういう気持ちだったんですね。

こんなことを考えさせちゃうなんて、子供って本当にすごいですね。

実際に、急にお休みになってしまい仕事でご迷惑をおかけした皆様、
出産の直前くらいから、もろもろ連絡が滞りがちになったり、
付き合いが悪くなったりしたのに、
いろいろ心配いただいたお友達の皆様、本当にありがとうございました。

頑張ります。

これからも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

久しぶりに昔の自分のブログを 読んで学ぶことが多かったので2年ぶりに更新しようと思います。

2012年まで残り40分ということで、 仕事についての学んだことを忘れずに書きたいと思います。

この2年間は、 事業の創業、事業化、安定運営、新しい事業の種の模索をやってました。 資金潤沢で破壊的なベンチャーに対しての、守る側の大企業の戦い方、 2年で5万%の成長、一気に成熟期に入った事業の構造改革と、面白い経験をしました。

一方で、この2年間は年間を通じて、ソフトバンクアカデミア、寺子屋(ISL)、波頭塾と 非常に刺激的な学習機会があり、気付かされることが多かったです。


①『会社という組織は、人を活かすために存在しているということ』


議論はあるかもしれない。 でも僕には大きな学びだったし、考え方が変わった。

寺子屋では「会社は冒険のために存在している」ことを学んだ。 波頭塾で取り組んだドラッカーからは、 「冒険を通じて、人を活かすことは、 会社という組織の存在意義そのものである」こと学んだ。

論理・思考・分析、経営戦略の系譜と、実務的に学ぶことも多かったけど、 ドラッカーが会社という組織に託した希望に触れられたことは、僕には大きかった。

アカデミアであった経営者の友達もみんな従業員の成長が最初に来る。

ライフネットの出口さんのインタビューも第一声がこれだった。

利益率が高いなんて、自慢にもならない。

昔は直感的に分かってたのに、 知ったかぶって、いつの間にか利益を一番に考えるようになってた。

人が活かされているのは、正しく世の中に価値が発揮されている状態で、 そのためには、当然適切な売上も、利益もとれていることが必要。

順番が違う。

その意志決定は、人を活かす意志決定か?


②『自分はリスクと向き合って決断をしていなかったということ』


これはかなり痛い発見だった。

他人の意志決定の サポート、先読み、根回しなんかがちょっとだけうまくなってる。

自分がラインで責任を持って、リスクをとって勝負していない。

だから失敗もしていない。

意識的に機会を変えにいくことも考えたが、 むしろその方向は今までと同じで、経験としてプラスにはなるし、 リスクはないんだけど自分で勝負していない。

いつまでも準備運動してても仕方ない。

2013年は、 意識的に、不確実性の高い決断をして、 いっぱい失敗する年にしよう。


③『最も大切な意思決定は、自分が登る山を決めること』

孫さんの話で一番学んだのは、登る山の選択。

この2年間で何回聞いたか分からない。

マネジメントゲームでも、 自分がいる市場によって成長度合いが全然違うことを体感した。

ザッポスのトニー・シェイがポーカーから学んだことも市場の選択。

2013年は登る山を決める年にしよう。





「きっともっと世界を好きになる」という言葉を友達にもらった(一緒に考えた?)。

好きなものが増えるってめちゃくちゃ楽しいよね。

好きなものが多い人生のほうが、絶対に豊かだと思う。

できることなら「好き」を増やすような仕事をしたい。

もっといえば、ただ消費をするだけじゃなくて、 「好き」を仕事にできる人が増える仕事をしたいとも思う。

だからずっとメディアが大好きだったし、 最近はKickstarterやEtsyが大好きなのだろう。

WorkSiftの未来予想で出ていた利豊も素敵だと思うのだろう。

2012年に見つけた機会を形にできるように。 その中で登る山を見つけるように頑張ろうと思う。



本業でいえば、 3年前から一貫してテーマはかわっていないことに驚く。
・地域のコンテンツ化、
・ネットは広告だけじゃなく流通までやる、
・ニッチじゃだめで、メジャーになるための手段を真剣に考える


2013年は特にいかにメジャーにできるかに本気でチャレンジすることだろう。

まずはバッターボックスに立てるように真剣に頑張ろう。

もう2012年も終わります。

皆様本当に1年ありがとうございました。


来年は、もっともっといい年にしましょう!!
ブログを書くことの久しぶりさに驚く。
すっかりTwitter中心になったもんだ。

2008年は振り返りをしてなくて、
なんだか残念だったのでやっぱり記録を残しておこう。


10位:ラグタグ

気づいたら衣服や鞄系の多くで中古を選ぶようになった。
新品で安物を買うよりも同じ値段で、ハイブランドの非常に状態のよい
中古が買えるっていうのはすばらしい。

ポイントは中古品のクリーニングやリペアで再生させている点。

すごくいいビジネスだと思った。


9位:姉の結婚

姉が結婚した。三重の東洋軒がすばらしかった。
本当にセンスのいい姉だと思う。


8位:岡田斗司夫の『ぼくらの洗脳競争社会』の読書会に参加した

岡田斗司夫氏にはじめてあった。
この本、僕にもっとも影響を与えている本で、
発想の基本的な座標軸になった。

社員が年間12万円会社にお金を払う会社を経営している。
かわりにその会社での著作物や表現の報酬をフリーにして、
露出の最大化を目指しているそうだ。新しすぎる。



7位:孫正義

今年は孫正義にすごく影響を受けたように思う

新30年ビジョンの社会問題からビジネスを扱う
アカデミックなアプローチに、昔のことを思い出した。

『ロールモデルとの出会いの仕組み化』

これをやりたいと思って
社会に入ったんだった。


6位:三枝匡の3部作からの反省

いまさら、
戦略プロフェッショナル
経営パワーの危機
V字回復の経営

を読み返す。


4年携わったビジネスの上り方は、
本当は別の打ち手があった。

あのとき、僕らはもっと真剣に、
タイムリミットを考えて行動すべきだった。

真剣に安定的に収益がとれる
モデルのチャレンジをとるべきだった。

やるべきことはひとつにしぼるべきだった。

部分の担当だったからといって、
部分最適を志向してはいけなかった。

これからも折に触れて読み返すべき本。


5位:初の売上目標達成と1000万UU達成

4年携わってきたWEBサイトが、
提携施策がうまくいって、
ようやく一人前のメディアに育ってきた。


4位:堺屋太一
http://http://www.amazon.co.jp/gp/product/4532195632/ref=cm_cr_asin_lnk

昨日読んだこの本がすごすぎる。
未来へのひとつの視座。


3位:小沢健二のライブ

『よろこびを他の誰かと分かり合う。それだけがこの世の中を熱くする』

内容は以下。
http://d.hatena.ne.jp/takuya/20100703/1278184591


2位:APバンクフェス

ひょんな縁でAPフェスにフル参加し、
しかも参加者のAPへの気持ちを聞くインタビューをしました。

音楽がすばらしいのは、
人を一歩前にすすめる勇気をくれたり、幸せな気持ちにしたり、
大切なことを思い出させたりするとこだとおもった。

そんな仕事がしたい。


1位:エマージングマーケットでの戦い

縁あって10月から世界でもまれにみる
エマージングマーケットでのシェア争いの新規事業に参加することになった。

去年、
_______

地域のコンテンツ化、
ネットは広告だけじゃなく流通までやる、
ニッチじゃだめで、メジャーになるための手段を真剣に考える
_______

なんてことを書いていたわけですが、
今やってることも、
地域のあらゆるサービスを対象とした広告と流通が融合した
新しいWEBの潮流なわけで、
結構近いことをやれるようになったということでとても嬉しい。

特にリアルの世界におけるプライシングは本当に面白くて、
フラッシュマーケティングのような手法をつかって、
これからプライシングや集客手法はどんどんかわっていくんだと思って、
ちょっとワクワクしている。

(ベストプラクティスは、JJの使い捨てコンタクトレンズだな)

あと、
来年は、せっかくなので、
ロールモデルとの出会いをつくる仕組みについても、
何かまきたいと思う。

なんにもやってなかったら皆さん、突っ込んでください。


さて、2010年もあと数時間。

今年は本当にネットが面白くて、
劇的に世の中が便利になっていて、
そろそろ僕も何か小さな価値を残していきたい年だと思っています。

来年はランキングも書けないくらい
むしろ1個これをやったと言えるような、
ちゃんとかたちになるものをつくっていきたいです。

では皆様よいお年を!
来年もめちゃめちゃがんばりましょう!!



作中歌で最も完成度が高い。

たぶんアジカンはソラニンが好きだったんだと思う。

ストーリーの力。価値は巻き込む引力で生まれる。