ごまかしの効かない仕事 | えのまちちゃんのブログ

ごまかしの効かない仕事

 若いころの私はダメダメだった。

介護のプロになる!って意気込みだけで生きていて、でも、何を学べばいいのかわからなかった。それでも、施設内の介護職の仲間とあれこれ考えて”頑張って”いた。ちなみに私は介護の勉強をせずに介護職についたクチだ。

その後転職した先で、生活リハビリという存在を知った。プロになりたい!って思ってたけど、全然実力がないってことも痛いほどわかり、「やっぱ介護の勉強してきた子たちはすごいな!」って思ったし、施設も新しくてみんないい介護したくってっていう気運の中で働いた。

それなのに・・

途中から、なんだかおかしいような気がした。

生活リハビリ、という教科書から離れたことを言ってはいけないという空気の存在に気付いた。

あの先生はこう言ってた、とか、この人(偉い人)はこう考えておられた。とか、そうゆう話は盛り上がるが、だから、こういう方針で行こうと思うけど、何か意見ありますか?と聞かれ、私がこう思うって言ったら、空気がどよんと重くなった。なんだろなんだろ、ってKYなわたしなりに考えて、意見あるかって聞かれたからって答えちゃいけないんだって気づいた。

じゃあ、意見きくなよ、って内心思ったが、ま、素人の私は黙ってた方がいいんだと気づいた。思ったことを簡単に口にできない環境はつらかった。

 

どんなにいい施設だって噂でも、日々いろんなことが起こり、職員もお年寄りも生きてるんだから、生活してるんだから、いろんなことに悩んだり、ぶつかったりする。

役のついていない超ヒラの介護職が一番の前線にいて、そこの施設をつくっている。

 

パートだろうが、常勤だろうが。

役がつくと書き物なんかが増えて駄目だね。「わたし、偉い人嫌い。資格持ってるだけでもう嫌」って言った婆の気持ち、まったくわからんくはない。ケアマネさんに、えのまちは楽しいけど、役についてる人間は嫌いって。。しくしく。

なーんて、でもその婆が好きな職員がちゃんといるから、それでいい。

 

誰かがすごく偉いなんてことは、介護現場ではないんじゃないかな。

みんな年取ったって悩んでるし迷ってる。この人すごいなあって人だって悩んでるし迷う。

みんなが、ひとつだけ「いい仕事しよう」ってところだけで、なんとかつながっている。そこでつながりあいたい。

 

嘘をついていたり、いい仕事よりも自分への評価が欲しい、という仕事の仕方は、必ずみんなに気付かれている。上手に言い繕ってその場ではごまかせたとしても。そんな仕事だよね、介護の仕事って。