30年前、とある和歌山県の私鉄が廃線になった。
それは紀勢本線海南市から東へ伸びる小私鉄。
野上電気鉄道。
もともと生石山の麓からたわしなどの特産品を国鉄に運ぶために建設された私鉄でした。
この鉄道を有名にさせたのは元阪神や阪急から譲り受けた小型電車が路面電車のようなZ形パンタグラフをふりふりしながらのんびりと走るところでした。
かねてからこの私鉄の噂はかねがね聞いてはいましたが、実際に訪ねるまではなく、何時かは行ってみたいと思っていた次第でした。
廃止数年前には水間鉄道から昇圧で廃車になった元南海の車両で置き換える予定や、新車を作る話などもありましたが、結局水泡に帰し、最後は会社解散という最も悲しい最後でした。
ワタクシも葬式鉄だったこともあり、30日の夜に高速バスで向かって、31日の夜に高速バスで帰るという、かなりハードスケジュールで向かいました。
その日はまず大阪から南海で和歌山市まで向かい、南海貴志川線を堪能してから野上入りしました。
弱々しい吊り掛けモーターの音を堪能しながら往復しました。
今から考えるともっともっと通っておけば良かったと思います。
海南市あたりのホテルに宿泊して、南海吊り掛け電車巡りや、地域の特産品や名物を食べ歩いても良かった。
モハ24を繋げるようです。
でもバスの時間に間に合わなくなるので泣く泣く帰る事に。
これでものすごく後悔した事がきっかけで、以後廃線の最終日には必ず最終電車に乗るようになりました。
もうあれから30年。
なんだかまだ最近のように感じらますが、それだけ月日も経ちましたね。
あの日の事をふと思い出した春の日でした。