これはバイクでお世話になった方から聞いたお話。
こどもの国の裏側を走る緑山峠。
緑山峠には首なしライダーが出るというウワサがあった。
まあ場所が場所。
こどもの国という曰く付きの場所に隣接しただけあって、何もないというのが不思議な位である。
そんな緑山峠に纏わる怪談を紹介しよう。
それはまだ緑山峠が、こどもの国通りの一部として現役だった頃の話である。
緑山峠でバイクを走らせていたライダーのA君の体験談。
たまたまバイク乗りのA君は緑山峠を全速力で加速していた。
そんな時、後方からA君のバイクを凌ぐスピードで加速する一台のバイクが迫って来た。
そうこうしているうちにそのバイクはA君に追い付いた。
A君がふとバイクを見ると、何とライダーの首がなかった。
一瞬の出来事で青ざめるA君。
そんな時首なしライダーからA君に問いかけられた。
一緒に競争しないか?
首が無いのに声が聞こえる。
おかしいなと思ったが、よくよく見ると首はなんとバイクのガソリンタンク上に乗っていた。
その首がA君の方を向いて喋り掛けていた。
A君を誘った首なしライダーは速度を上げると猛スピードでカーブの先へ消えていった。
そんな都市伝説的なウワサが緑山峠を攻めるライダーには広まっていたという。
その後緑山スタジオ前の道が全通すると同時に、事故が頻発したこの通りは封鎖された。
平成元年前後の話である。
こどもの国側の坂の途中までは道が残ったが、その先は不自然な遊歩道になっている。
けれどここは今でも神奈川県を代表する心霊スポットになっている。
首なしライダーは今でも車通りの無くなった緑山峠を全速力でぶっちぎりしているのだろうか?