起きた瞬間、「コレ、マジで行くの?」っていう暴風と強い雨。 今日のパートナー
となるあの男に、ベッドの中から携帯で連絡をすると「もう向かってる」 だそう…。
自分的には彼が出発していなければ中止を提案するつもりであった。 昨日の夕方まで
の予報であれば、朝方には雨が上がり、風も2~3mという予報であった。だが起床時
に再度予報を見ると雨が午後まで延びており、なおかつ北西12mの風という現地予報。
しかたない。 とりあえず現地へ向かうか。 セッティングだけは始めないようにと
だけ連絡を入れ、自分も車へと乗り込む。

AM6時。 謎の川の前にて合流したのは、そう、リバースモールハンターである。
その場で電話にて、しばらく車中待機が確定した。 外はみぞれまじりの強い雨であり
爆風は停車している車ですら時折ぐらんぐらん揺らすレベル。
リクライニングを倒し仮眠をとり、意味不明な夢を見て7時30分くらいに目覚める。
そこからは携帯をいじるが、どんどん充電が減ってきてしまう。 そうこうしていると
いつもの定時連絡メンバーから順次電話が鳴る(笑)
電話後も車内でぐだぐだ過ごし、クランクとかシャッドに残っているラインの結び目
をハサミで取り除いたりとかそんな滅多にやらないこまめな作業をしたりして過ごす。
なんでそうなるか、というとルアーチェンジする際に1cmくらいのところでハサミで
カットして付け替え、そのまま結び目とちょろっとラインが残ったままになっているから
なのだ。横着者の自分はそれにさらにそのまま結んだりする。真っすぐに泳がないな、と
思った時に初めて結び目をきれいに取り除く、というくらい横着なのだ。 別にそんなん
でも釣れるので気にならないのだが…。
10:00頃、ハンターが外の様子を見るために傘を持って車から出てきた。

…が、この爆風である。
水面もダバダバ、なおかつ冷たい雨であり、協議の結果、緊急振替プログラムが発動
されることとなった。 残念ながらボート釣行は諦めて、10:30、移動開始である。
安全には変えられない。 諦める、ということも時としては重要な選択である。

今回の移動距離は75km。かつて真夏にハンターと木更津のおっさんと共に北関東
を大きく移動するスーパートレイルをやったことがあるが、あれに匹敵する移動距離だ。
そう、安全を考慮してオカッパリでスモールが狙えるあの川へと移動したのである。
11:45、現地到着。 雨風はまだ強烈であった。

普段なら沖までボトム丸見えのこの川でさえ、透明度が50cmもないレベル。かつ
増水もしはじめており、流れも相当強い状況である。 これを見た瞬間、坊主が脳裏を
よぎる。二人とも釣りをはじめて30分もしないうちに「何か温かいものが食べたい」
となり、近所のラーメン屋へ。

ひとまず体を温めて午後の部へ。
いつもの定番エリアを順番にチェックしていくが、何事も起きずに時間だけが過ぎる。
午後の部をはじめてちょっとしたら雨がようやく止んでくれた。 風も次第に弱まって
きて、体感的には何とかオカッパリでの釣りを継続できるレベルへと天候が持ち直して
くれた。 それにしても強い流れと濁り。 これをどう攻略するのか…。
こういう状況の時、スモールは比較的マンメイドとかに付きやすい、と考え、テトラ
の穴撃ちをやってみることにしてポイントTへと移動した。 個人的にはこの穴撃ちと
いう釣り方、ラージでもスモールでも実はあまり好きではないが、今日はこれ以外に
活路は見いだせなかったのでやらざるを得なかったのである。 スモラバなんぞすぐに
流されてしまうので、3.75gの重たいシンカーを使っていたが、これで穴撃ちを
やるとすぐに挟まってロストしてしまう。 そこでシンカーを2.4gに軽くしてやり
頼みの綱のレッグワームの黒をスローフォール気味にテトラの隙間へと落としていく。
グンッ
14:30、奇跡のバイトが出た!!
すぐに水面に浮き上がらせ強引にネットで獲る!!

やっほーーーーー!! 獲った~~!!
このドバドバ音を聞いてハンターが驚きながらこちらへとやってきた。 今日のこの
フィールドコンディションの中、本当に良く食ってくれた一尾だ!! 気温7℃、水温
は8℃という極悪コンディション。 釣りをしていることのほうがクレイ〇ーだが…。

ざっくり計測だが41cm、1050g。 雰囲気的にはスモールのカバー撃ちみたい
な釣れ方である。 でもこの1尾、最初にヒントをくれたのはハンターであった。午後の
部の前にハンターが「テトラの中とか潜ってんのかな」とつぶやいたのを聞き逃さなかった
のである。 しかしながらデコらない男の粘り強さが現れた一撃であった。当然のごとく
ハンターにも火が着く。 今日はこのパターンを二人でやり切るしかない。
数分後、すぐにまた自分にバイト!!

2尾目である。 30cmちょいかな、寒いので測りもしなかった。 5ポンドライン
で抜き上げられたくらいだったからだ。これも黒レッグのダウンショットであった。ここ
数年、この黒レッグにどれだけ助けられていることか…。 やはり濁った時の黒は最強だ。
その後、自分はあれこれ歩いて移動しながら色々チェックする。フックやシンカー類が
減ってきたので一度車に戻って補充したりして、16:30過ぎにハンターが居る場所へ
と戻る。ハンターは同様のテトラ穴撃ちパターンでワンバイトを得ていたようだがフック
アップせずにスッポぬけした模様。 自分はもう2本釣っているのでいつ終了でも良いが
ここは終了の決定をハンターにゆだねる。 もはやサドンデス。ハンターがキャッチする
かギブアップするか、そのどちらかである。
17時、現地の夕方の鐘が鳴ろうとしているその瞬間…

ドラマ魚、という言葉はまさにこの一尾のためにある。 見事、ハンターもキロUP
を手にしたのであった。 もちろんこのキャッチをもって17時、ゲーム終了である。
昨年、最後にデコったのは2016年3月20日の豚の沼戦。 その次の釣行は3月
25日であり、その日からデコっていない。ということは今年、3月25日以降の釣行
でキャッチを達成すれば、通算で1年以上デコっていないことが成立するのである。
まさに今日が3月27日であり、その運命の日であった。 ざっくりだが80戦連続で
バスをキャッチできていることになる。 実はこれを意識したのは、2月の最終釣行を
終えた時点くらいからであった。 もちろん、気難しい早春の謎の川に通い続けていた
ため、いつデコってもいいやーくらいに思っていたが、不思議と毎回釣れてくれたのだ。
年末カズカップを体調不良で欠場したこととかもあるし、12月~2月はディープの
釣りが成立するリザーバーメインで通ったことも大きい。そんな今年のメモリアルな魚
はどれか? と言われれば、間違いなく2月6日の亀山戦で釣った唯一のこの魚だ。

この日、ワンバイトワンフィッシュ。みぞれの中、よりとも島の裏で釣ったこの1尾
である。 1月に釣った53cm・2450gという凄い魚もあるにはあったが、実は
こちらの1尾のほうが全てをつないだ重要な1尾だった、と思っている。
で、19時に自宅に到着し、片付けと並行して次戦の準備である。 タックルを用意
したらなんとスピニング5本のみ、になってしまった。 次回はベイトロッドはすべて
自宅待機(笑)

今日は満面の笑みでお別れである。楽しい1日だった。でもさすがに次はデコるかな。
昨年9月以来に訪れる予定となる、なにしろ激タフなあそこだから…笑 ではまた!