日曜日にあの男が聖地にて52.5cmのスモールを仕留めた。 その夜、悔し涙で枕を濡らし、今日

 自らも聖地へと降り立つ。正直、あの男に先に仕留められたのは悔しい。しかし、仲間としてはアッパレ。

 今になり、ようやく見事である、という賛辞を贈ることができる。自分が掛けても獲れないかもしれない。



  ひとつ間違えてはいけないのは、聖地へは誰もが行ったからと言って釣れる訳ではない。あの男の記事

 を見て色めきたち、聖地へ行ったからと言って、誰しもがスモールをキャッチできるほど今の聖地は甘く

 ないのが現実である。今日デコれば4連敗。 背水の陣でエアリアルハイパフォーマンスを握り込む。



  今日はあいにくのローライトコンディション。事前の週間予報では雪の予報すら出ていたのだが何とか

 ただの曇でおさまってくれた。とはいえこれはこの季節の聖地のスモールハンティングにおいては不向き。

 気温は低くてもかまわないが、直射日光が水面に当たっている、というのが釣れる条件に必要なのである。

 そういう天候になることは分かってはいたが、それならば少しでも可能性のある朝マズメ狙いで早朝から

 攻めてみることにしたのだ。 7時には現地へと到着した。



  初めにJでウォーミングアップ。 当然異常は無い。 水温は8℃。 そして日中でも気温は最大6℃

 とかなり寒い一日であった。 水温が8℃はこの時期では普通だ。釣果には影響がないはずだ。データを

 積み重ねて分かってきたことだが、ラージと違い、スモールは水温よりも潮目や暦等のタイミングの方が

 重要だったりするのだ。 ちなみに気圧配置関係に関しては現在まだ研究中。 この時期でも確実に口を

 使うタイミングを導き出すために、ありとあらゆるデータを駆使して釣行を重ねている。 




  そして砂利浜とピンスポットとの往復が始まった。 このピンスポット、スモールが入っていれば確実

 に食ってくる。 しかし、過去データの積み重ねから、このピンスポットは一時的なスモールの待避所。

 この場所に長時間とどまっている個体はいないので、タイミングを合わせるべく何度も何度も入り直す

 ことが重要なのである。 これはピンスポットと反対のポイントでもある砂利浜にも言えることである。



  1月31日に奇跡的な一尾をキャッチした砂利浜。 毎年、大雨や台風で地形が異なり、ここでのピン

 は毎年のように位置が変わる。 秋はこのピンを掴むことができず、結局定番ピンスポットのみでの釣果

 となってしまったのだが、1月31日に釣れたことにより、新たなるピンを発見することができたのだ。

 自分が今シーズン、聖地でのスーパービッグを手にするのであれば、このピンしかない、と言い切れる。



  昨年51cmを釣った時と同じリグ、ENO’Sスモラバ+バグアンツ2インチをそのピンへと何度も

 送り込む。すると、何度目かわからないが、急に生命反応がティップに伝わった。 食った!?






  思いっきりフッキングさせると獰猛な横走り!! 



  ぎいいーーーっ



  と音を立ててドラグが鳴る!!








  


  上がってきたのは・・・




















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  クッ、お前か!? 思わずファイトを楽しんじまったじゃねーか!? 

 と言っても、実は亀山のバス以来の魚とのファイト。ゴイニーであったが、なんだか少しほっとする感覚

 があった。 このゴイニーで少し落ち着きを取り戻す事ができたのかもしれない。 ラインを結びなおし

 
 再び、ピンスポットと砂利浜の往復が始まった。



  10時30分を過ぎてもあのゴイニーのアタリしかない。 気温もほとんど上がらず、とにかくさむい。

 風がほとんど無いことだけがせめてもの救いであった。先日のペアカップのほうがよっぽど寒かったのだ。

 体を温めるために一度コンビニへ行き、ダイドーブレンドコーヒーのホットを飲む。20分程のブレイク

 をはさみ、再びポイントへと舞い戻った。この休憩は正解であった。 脳内がかなりリフレッシュされ、

 集中力がよみがえってきたのである。 


  再び砂利浜へ入り、少し先にある急流ゾーンと呼んでいるポイントへと入った。ここは朝のうちも少し

 攻めたが反応無し。 今度は、ここの攻め方のセオリーとなっている、とあるアプローチで攻めてみた。

 数度のキャストのあと、普段は何も引っかからないところでスモラバが何かにひっかかった感触がした。




  グングン・・・





  とっさに合わせる!! 






  よっしゃ、食った! これは間違いない! スモールだ!! 




  
  流れに乗って上流側へと走る強烈なファイトが始まった。



  

  ドラグもジリジリと出て、ちょっとヤバい感じ。 でも楽しい~!!






  少し力が抜けたタイミングでリーリングで寄せる!!







  そのまま一気に岸にズリあげて、アゴを掴む!

















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  よっしゃー!! 獲った!!   11:45




  サイズは38cmだが、900g! 坊主を防ぎ、なおかつ連敗を阻止した貴重な一尾!! 

 さすがにピンチーニョさんのスーパークオリティフィッシュには及ばないが、今の自分にとって

 は本当に嬉しい一尾となった。今日のこのタフコンディションでキャッチできたのは素晴らしい。

 やはり例年、スモール達が動き始めるタイミングはココなのだ。こんなブリブリなメスを釣れる

 のは今しかない。3月下旬になるともっと小さいか、痩せているオスばかりが釣れるようになる。

 ビッグスモールチャンスはここから春分の日くらいまでの一ヶ月が目安である。




  その後、2匹目のドジョウを狙って13時まで粘るが、あの1本のアタリのみで終了となった。



  この聖地へ長年通い、スモールが確実についていると思われるピンを何個も知っている自分で

 すら、6時間以上粘ってこの1尾のみなのである。今の聖地がどれだけ難しいかはお分かりいただ

 けるだろう。しかし、悪い流れを断ち切る、価値のある1尾を獲ることができた。ここからは連勝

 していきたいところだ。




  自宅に帰ってくると、風が強くなり、オマケに雪までちらつき始めた。 そりゃー寒い訳だ。

 今日は明るいうちにボートを車に乗せておきたかったので、長くても14時くらいまでと決めて

 いた。それもあっての早朝からの出撃だった訳である。





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  2ヶ月ぶりにボートを車に載せる。 追加したサポートバ―のおかげで、非常に楽に、そして

 セーフティに積み上げることができた。 そして他にもいろいろと車に積み込み、ここから続く

 ボートトレイルの準備を完了させたのである。 次なる闘いは明後日木曜日。初訪のステージだ。