苦悩の高滝坊主戦から中4日。 実に6年ぶりのステージでの釣行が実現する運びとなった。 自信の誇れる
自慢は唯一、年間の釣行日数であるが、様々なステージに足を運び、経験値を増やしていることももうひとつの
自慢にできるのかもしれない。昨年、今年と様々なアングラーの方とコラボさせていただき、またひとつの大会
をシーズン通して参戦し、改めて自分自身の実力不足を思い知った。そして、今日もまたそれを思い知る一日と
なったのである。

そんな6年ぶりのフィールドは千葉県、亀山ダム。
今日は、もはや釣り仲間、いや釣り友と言える存在ともなったノブ氏との釣行である。11月4日にシンザン会
の大会があるのでそのプラも兼ねての釣行である。 彼の誘いがなかったら、また今年も亀山をパスしていた
かもしれない。 事前情報から、現在の亀山の状況は非常に厳しいことは分かってはいた。 ただ、ディープを
じっくりやればそれなりにポロポロとは釣れる、という程度。そしてシャローは一日やって1発出るかどうか。
朝6時にボートハウス松下へ集合、自分はここからは初めての出船となる。かわいい猫ちゃんとフレンドリー
なお母さんに迎えられ、情報を聞くが、なかなか難しいという。 さて、実は事前に木更津の男には、今日亀山
に来ることは伝えておいた。 すると、昨日直前情報をメールで送ってくれた。 詳しいポイントやエリア紹介
と非常にまともな情報であった。 実は、木更津の男は非常に心優しい男なのである。 ただし、自分はボート
屋の名前と場所は分かるが、その他の名称は言われてもどこを指すのか全く分からず、それをノブ氏に伝えて
連れていってもらうしかなかった。 水温は18℃。 今日は終始無風に近いくらい風が無かった。
朝一番はひとまず秋の実績場所である、柳島のフラットをチェックしに入った。 島の周辺は3mのフラット
だが、すぐに超ディープに一気に落ちるブレイクに隣接をしている。 そのブレイクライン、水深6mから4m
の間くらいにバスと思わしき個体が魚探に映るが、なかなか食わない。メタルでシャクったり、ダウンショット
で誘ったりするもなかなか反応は得られない。 時折、島の回りでボイルが起きるが、2~3回発生した程度で
あとは静まりかえっていた。
ノブ氏は、今日は笹川を上がってみたい、というプランのようだったので、笹川への移動を開始しようとした
時、3尾ほどのバスが魚探に映ったため、試しにダウンショットを落として探ると、
ココンッ
食った!!
小さいけど乗ったぞ!?

あっさりと抜きあげられるサイズでそのままボートに抜きあげたが、非常にうれしい6年ぶりの亀山バス!!
得意のレッグワームの白である。 間違いなく今年のMVPワームはこれに違いない。 サイズの大小ではなく
この亀山で水深5m以上のディープで釣った事が初めての経験であり、自分にとって価値のあるバスであった。

笹川へ入ると、メインはカバー撃ち。 濃い目のカバーはテキサス、ややオープンな場所はジャバロン110
で探っていく。 久しぶりのまともなカバー撃ちなので、精度が甘い。 ブレーキの調整等がアジャストされて
くるまでに30分くらい時間を要してしまった。 ここでノブ氏は自分より少し先行した場所で撃っているのを
後ろから見ていたが、非常にキャストがうまい。 ピッチングやスキッピング、いずれも自分よりはるかに上手。
ノブ氏のハイデッキの利点は、サイトだけでなく、こういったキャストにも有効なのである。 自分も片倉ダム
や丹沢湖に通っていた頃は、かなりのピッチングマシーンであったが、ここ数年そういった釣りがあまり必要の
ないステージばかりに行くようになってしまったため、明らかに自信の技術がダウンしていることに、今日気が
ついた。高滝しかやっていないとこういった釣りが下手になるのだ。荒川や入間にもカバーやテトラ撃ちの釣り
はあるが、難易度的には亀山よりも全然低い。
最上流まで行き、Uターン。 笹川は全体的にやや濁りが入っており、ニオイもあまり良くなく水が悪い状況。
ノブ氏は真面目にプラっているのかと思えば、フロッグを投げて遊んでいた。 週末の前日プラと当日はいずれ
にせよ、ディープでの我慢の釣りとなるから、今日のうちに遊んでおく、とのことのようだ(笑)とはいっても
シャローやカバーのパターンのほうが数は少なくてもサイズが期待できるのも事実。 ディープで250g3本
持ち込むより、シャローでキロフィッシュを1本獲ってきたほうが上位となるからだ。ただ、この所の状況では
カバー&シャローは博打に近い状態だろう。 戻りはチャターを巻きながら下るも何も起きず。
11時過ぎにボートハウス松下前まで戻ってきた。 ここの沖にはとある地形変化があり、その周囲に魚が
集まっているという。 魚探をかけていると、水深6mのフラットにバスが数尾映った。たまたま近くに置いて
あったジグヘッドをキャスト。 水深6mのボトムを叩くようにシェイクしていると、
プンッ
とラインが張る。 食った。

これも今日のレギュラーサイズだが、貴重な2本目。 その後すぐに沈み物の際でもう1回バイト!!これ
は今日の中では一番デカいか? と思われる30cmちょいのバスが食ったが、水面ジャンプ1発でバラして
しまった。 これは痛い・・・。ノブ氏はちょうどその頃、周辺のカバーを撃っていた。
すると、後ろの橋の上から
「そんなんじゃ釣れね―ぞ」
という悪質なヤジが聞こえたが、無視してキャストしていると携帯がなった。
木更津の男である。 またまた仕事の途中に立ち寄ったのだという。 連発モードに入りそうないい所だった
のに、邪魔をされて魚探で発見していたバスも見失う。心優しい男、と書いたが前言は撤回だ。やはり極悪な男
であることには間違いなかった。 しかし、極悪でありながらアドバイスメールの内容はノブ氏から見ても的を
得ている、とはいう。 さすがかつては亀山に通いこんだだけある男だ。

「あそこのカバーを撃て!」とか「柳島へ行け!」などとさんざん好き放題言ったあげく立ち去る
木更津の男。
その直後に遠くでカバーを撃っていたノブ氏が戻ってきた。 魚探に映る沈み物、おそらく立ち木
の周辺で一瞬アタリが続いたことを伝えると、ノブ氏がダウンショットで見事に1本キャッチした。

本人は苦手だというが、高滝で見ていた時も含め、ノブ氏はダウンショットの釣りもうまい。 さすが亀山を
ホームとしているだけあって、水深6~8m前後でもしっかりと攻めれるスキルも持っている。 なんとなく、
ダウンショットに持ち替えてキャストすると、同じピンでもうワンバイト!!
乗った!!

再びレッグワームの白のダウンショットで3本目!! しかしこのポイントが沈黙しはじめたため、他の
エリアへと行くことになった。 木更津の男のメールにもあった、白鳥島である。 松下からだと遠いが移動
し、白鳥島へ到着。 ここでは水深8mでギルのアタリがあった程度であり、バスの反応は皆無。 これまた
木更津の男によるガセネタ嫌がらせであろうか? ホームダム釣行の際は気をつけなくてはならない(笑)
15時30分を過ぎたので松下方面へ戻り始め、トキタ沖で粘ってみるが、自分がダウンショットで水深6m
からギルを2枚上げた程度。 まあここで超ディープからギルを抜きあげるというのもなかなか無いだろう。
もう少ししたら紅葉もきれいになるかもしれない。 暮れゆく秋の亀山ダム。

最後に昼にちょい連発した場所をチェックして、16時過ぎに桟橋へと戻り、ノブ氏とともに納竿した。
当初はデコる覚悟であり、6年ぶりといっても、内容的にはほとんど初訪に近い程度の情報しか持っておらず
それでも3本キャッチできたことは良しとしよう。 フッキングをさせたバスは4尾であったが、その4尾の
ほとんどが魚探で見つけたシューティング。 この分野に関しては、今日、少しまた進歩があったと思う。
ポイントのポテンシャルの高さに頼りきりな高滝と違い、自力でバスを探し出さなくてはならない面白味は
亀山のほうがやりがいはあると言えるだろう。秋に限っての話ではあるが。
そんな訳で第59戦は幕を閉じた。 次はついにあのダムか? それではまた。