今週土曜日は採点・講評の日。

 

 最終の一週間では私は緊張感が全然覚えてなかった。ちょうど今彫刻に飽き飽きだったので作業は逆に緩くなったような気がする。みんなはゴールの前でスパートしていると同時に私は誰もいない場所に座ってぼんやりと空を眺めていた。

 

 だって、この作業で挑戦したいことは全うしたからだ。

 

 思えば、終了の前日にハンマーを失ってしまった。その代わりにちょうどいい形している石でチスタガネを叩くことにした。意外なことにハンマーより軽い石の方が精密作業に向いているかもしれない。新しい技法を使ったら靴ひもの部分は精度が格段に上がった。(もっと「具体的」な形になった)

 

 グループ分けて最終講評を行い、他人の作品を見てかなりの刺激を受けた。私は納得できるような作品を出して先生からかなり良い評価をいただいた。

 

 

 終了後、自分の作品を家に持ち帰るか、ここで壊して捨てるか、自分に選択を迫られている。私の場合は捨てるしかない。愛情を注ぎ込んで作った作品は自分の手で壊すのがやはり忍びないから、友人に頼み、お互いの作品を砕けて廃棄場に捨てた。

 

 

 最初の一週間、コンクリートを削る前に描いた鉛筆デッサンの中に私は想像して描いた靴の断面図がある。友人はそれとそっくりに靴をバラバラにしてくれた。断面図から始め断面図で終わり、それを見て二人は大笑いした。昨日完成したばかり、寿命が極めて短い私の作品は非常に面白い結末を迎え、これで私は満足するのだ!

 

 

 美大の建築学科に入って最初の課題として、5週間に及び、35x45のコンクリートの塊を削って「身に着けて使い古されたもの」にするという前期作業はようやく終わった。

 

 両手と腕がボロボロになったが指を失わなくて幸いなこと、危険が伴う彫刻作業から生き残った私だった。

 

 来週からようやく製図・設計表現などの建築学科っぽい授業に移ることになった。絵を描きたくてたまらない!