そもそも筆者は他人との旅行が得意でない。
たとえ仲の良い友人でも、旅行ではどうしてもイラっとしてしまう瞬間がある。
些細なことで仲良しに負の印象を持つくらいなら、一人の方がずっと平和。
そんなわけで、これまで筆者は一人で旅行することが多かった。
ヨーロッパもハワイも一人。
夫氏も同様に一人旅が主。
東欧や中央アジアなど若干マニアックな場所に一人で訪れていたそうだ。
そんな協調性のない二人の旅。
これまで国内1,2泊の旅とは話が違う。
途中で喧嘩別れする可能性もあると覚悟していた。
行き先は南半球の自然豊かな国。
たとえ仲の良い友人でも、旅行ではどうしてもイラっとしてしまう瞬間がある。
些細なことで仲良しに負の印象を持つくらいなら、一人の方がずっと平和。
そんなわけで、これまで筆者は一人で旅行することが多かった。
ヨーロッパもハワイも一人。
夫氏も同様に一人旅が主。
東欧や中央アジアなど若干マニアックな場所に一人で訪れていたそうだ。
そんな協調性のない二人の旅。
どうなることか。
これまで国内1,2泊の旅とは話が違う。
途中で喧嘩別れする可能性もあると覚悟していた。
行き先は南半球の自然豊かな国。
バス、航空機で複数箇所を周遊する旅程である。
行く先々での行動はほぼノープランで臨んだ。
ともすると、争いを生みそうな旅程だが、筆者はストレスなく旅を楽しめた。
夫氏が筆者の体調に合わせてくれたところも多分にあると思う。
滞在型の旅行ではないため、ホテルは基本カジュアル。
キチネットが付いている場合もあった。
キチネットに気分の上がった筆者は、スーパーで買ったフルーツやチーズ、パンで、新婚さながらの朝食を楽しんだりした。
これを親しい友人に話したところ、こんな反応が返ってきた。
友人「えー⁉️結婚もしてないのに朝ごはん作らされるの?信じられない!」
筆者「だめ?フルーツ切るくらいだよ?海外のスーパー楽しいじゃん。」
友人「わたしならキレて帰るかも。ありえないでしょ。」
筆者はなんとも思っていなかった、むしろ楽しんでいたことは“侮辱”に当たるらしい。
確かにビーチリゾート、例えばハワイで、ワイキキから遠く離れたキチネット付きの格安コンドミニアムに泊められ、朝食をABCストア調達なら帰りたくなっただろう。
しかし、ホテルでの滞在は寝る時だけの観光主体の旅なら、これもありかなと思ってしまう筆者。
一人旅では知人のB&Bに泊まったこともある。
その点では、筆者と夫氏の価値観は合っていたのかもしれない。
なにせ、夫氏が筆者の友人を連れていたら、朝食の時点で怒って帰国してしまうのだから。
大きな衝突もなく、迎えた旅行中盤。
小さな街に立ち寄った。
軽い昼食をとるべくカフェへ。
お庭の席に座り、サンドイッチをオーダーする。
隣のテーブルには、恰幅の良いご婦人3人組。
昼間から泡ワインをお楽しみである。
優雅な御三方をぼんやり眺めていると、
「これオーダーしたものと違うわよ!」
「フレンチフライをサラダに変えてちょーだい!」
お店の方を相手に何やら穏やかでないご様子。
ご婦人方の勢いに気圧された筆者は、目を逸らす。
ガイドブックをめくりながら、夫氏とその後の計画など話していた。
ご婦人「あなた方、どこからいらしたの?」
ご婦人の一人に声をかけられた。
筆者「日本から来ました…」
何か言いがかりをつけられるのかと、恐る恐る答える。
ご婦人「あらー偶然!今うちの息子、日本にスキーしに行ってるのよ!」
よかった。
言いがかりではない。
筆者「そうなんですか!こっちの雪山の方が断然良さそうですけど…日本のどの辺ですか?」
ご婦人「どこだったかしら?ほら、こっちは今シーズンオフだから。」
ただの気のいいご婦人のようである。
いくつか言葉を交わしたところで、問われた。
ご婦人「あなた方、ご結婚されてるの?」
唐突に核心をつく質問。
ご婦人が最強なのは万国共通のようである。