筆者は、両親ともきょうだいとも仲が良い。
実家には頻繁に帰るし、密に連絡をとる。
婚活事情も全て報告していた。
(むしろ、このブログ自体、家族の勧めで始めたものであり、家族全員に周知する機能も果たしていた)

当然、夫氏の存在も公表しており、家族公認の交際であった。



一方の夫氏。
職場の人に話すくらいであれば、当然ご家族にもお話しているものと思われたが。

ご家族に筆者の存在は明かされていなかった。



筆者は、親御さんに公表できないような恥ずかしい彼女なのだろうか。
非公認で付き合って、飽きたら野に放つ予定なのだろうか。

筆者の憂いは増した。



筆者「LINEや電話で一言、彼女できたって報告しないの?」

夫氏「そんな話したことないし。」



夫氏の勤め先にはお盆休みがない。
年末年始は海外で過ごすため、実家に帰る頻度も期間も限られている。
連絡も疎らで、突然そんな報告をすることが憚られるという。



夫氏「わざわざ言うのめんどくさいから、いっそ会いに行く?」

筆者「え⁉️」



そんなわけで、交際開始から3ヶ月ほど経った頃に、ご実家を訪れることになった。
週末の小旅行を兼ねて。



手土産を悩んでいたところ、夫氏経由で義妹のリクエストを受けた。
しかし、前日の午後の時点で完売。
指定のものを買うことができなかった。



終わった…



リクエストされたものも買えない無能な人間。
大幅減点は免れない。



リクエストから見るに、重要なのは希少性。
切り替えて別の有名パティスリーで手土産を用意した。

その前の週に出張先のNYで購入したチョコレートも添えた。
こちらも、海外旅行好きの義母と義妹のお眼鏡にかなうよう、現地在住の友人に情報提供を依頼していた。



しかし、リクエストに応えられなかった後悔と反省は大きく、当日の朝まで引きずっていた。



筆者「本当にごめん。こんなに入手困難なものだと知らなかったの。妹さんがっかりしちゃうね。」

夫氏「別に大丈夫でしょ。妹もよくそんなもの知ってるなー。」

筆者「もうだめだ。嫌われる。」

夫氏「てかさ、どうしたのその格好?ただ実家行くだけだよ笑。」



夫氏は筆者の気負いなどつゆ知らず。
緊張する筆者をからかって楽しんでいた。



まだ婚約者ではない。
ただの彼女。
だからこそ、ちょっとした気遣いができるかどうかが心証を大きく左右する。

筆者は出だしから大きなミスをしてしまったのだ。



憂鬱な気分で夫氏の故郷へと向かった。