かくして、夫氏と交際を開始した筆者。
誠実な人柄の夫氏を疑うわけではないが、やはり不安が付きまとう。



所詮はアプリでの出会い。
知る連絡先はLINEだけ。
切ろうと思えば簡単に切れる。



2回目のデートの時点で、共通の友人がいることは確認していた。
なにせ、筆者の親しくする先輩と中高の同級生。
部活も委員会も同じで、大学も同じ。

そんな共通の知人がいるのだから、不義理なことはしないだろう。

そうは思いつつも、長年のアプリ地獄を生きてきた筆者は、この状況を手放しで喜ぶことができなかった。

これは、夫氏の一時の気の迷いかもしれない。
また気が変わって、なかったことにされるかもしれない。。
突然連絡が途絶えるかもしれない。。。



そうだ、個人情報を手に入れよう。



悶々とする筆者は、現状を打破すべく、個人情報の提供を申し出ることにした。
交際意思確認以降、数回目のデートで切り出した。

筆者「基本LINEで連絡とるじゃない?でもLINEで連絡取れなくなったときに困るかもしれないよね。」

筆者「そこで…で、で、で、電話番号を…」

夫氏「そっか、たしかにね。それは心配だよね。」



そう言って、夫氏は電話番号を教えてくれた。
名刺交換し、Facebook、Instagramもその場で相互フォローした。



どうやって切り出そう…と悩み、ででで電話…と吃った筆者はなんだったのか。
いともあっさりと夫氏の個人情報を手に入れることができた。

匿名のアプリの世界から、ようやく現実世界に移籍。



この時は、夫氏の交際ステータスが筆者と既婚になることも、夫氏の電話番号を覚えてしまうことも、全く予期していなかった。