夫氏「そういえば、親経由のお見合い話はなかったの?」

筆者が婚活ブログを書くほど必死に婚活していたことを知った夫から、こんなことを問われた。



筆者「あ…実は一度だけあったのよね。でも、自分でダメにしちゃったから、二度となかった笑。」



そう、筆者は20代の頃に一度縁談をいただいたことがあった。
父の仕事関係の方がお仲人として、大学の後輩(東大)をご紹介くださる、というものだった。

お相手は、大手日系企業にお勤めで、筆者よりも7-8歳上の方。
写真からははつらつとした印象を受けた。

条件としては申し分ない。

それにもかかわらず、筆者はお断りしたのだ。
あろうことか、お会いすることすらせず。



筆者「何年前の髪型?古臭くない?靴がゴム底とかありえないし、なんかスーツのサイズも合ってない。」

筆者「日程はずいぶん前に決まってたのに、直前まで連絡が来ないなんて失礼じゃない?場所も大学内のレストランだなんて。先方もやっつけ仕事なんだったら、こっちから願い下げだわ!」



婚活に本腰を入れる前、20代の筆者。
まだ自分の市場価値を、待ち受ける現実を知らずにいた。

自分は選ぶ側の人間だ、安売りする必要はない。
そんなふうに思っていたのだろう。

先方の段取りの悪さや、写真に難癖をつけ、お断りしてしまった。
今思えば、何様だったのだろう。

以降、親から縁談を持ちかけられることはなくなった。



筆者「夫氏は?親御さんから縁談持ちかけられたことないの?」

夫氏「2、3回あったかなー。全部スルーしちゃったけど。」

筆者「えーもったいない!どうしてお見合いしなかったの?そんなこと親御さんに世話されたくない!自分で探す!みたいな感じ?」

夫氏「うーん、単に興味が湧かなかっただけかな。」

筆者「それって、写真に興味が湧かなかったってこと?自分の好みのルックスだったら、会ってみようと思った?」

夫氏「そりゃそうでしょ。写真に興味持てなかったらそこから先はなくない?」



やはり容姿か。
過去の記事に書いたこともあながち間違っていないようだ。
ま、筆者も似たようなものか。

こうして身の程知らずな我々は、近親者からの縁談を逃したのであった。





一方で、従来の仲人式のお見合いで結婚した知人が、一人だけいる。
日本最大規模の私大から、東大大学院へと大胆な学歴ロンダリングを果たした知人男性S氏。
彼は、例に漏れず、東大大学院の名前を使って、大手企業に就職した者だった。


S氏「やっぱり“東大”ってすごいね!地元に帰ったら、お見合いしたいって女性が列をなして待ってたんだよ!」


S氏は、20代後半の頃、地元(東海地方)の支社に異動した。
すると、近所の世話焼きおばさんが十数件の見合い話を持ってきたそうだ。
みな、東大院卒のエリートと結婚したいと志願してきた女性たち。

S氏は順にお見合いし、十数名から3名に絞った。
3名とは2、3回デートを重ね、最終的に1名との結婚を決めたという。


S氏「ほんと選り取り見取りで困ったよー。他の人も悪くはなかったんだけどね。」


売り手市場とはこのことか。

S氏は家柄が抜群に良いわけでも、イケメンなわけでもなかった。
本人も認める通り、東大院卒という学歴に対する需要。

かくして、S氏は就職のみならず、結婚においても、学歴ロンダリングを最大限に活用したのであった。





夫氏も、もう少し売り手市場を楽しめばよかったのに。