結婚相談所を利用する方々は、何を根拠に結婚相談所を選ぶのだろうか。
サービス内容?
料金システム?
認知度?
学士会主催の良縁倶楽部にあっせんされた結婚相談所。
当然、学士会員が多く在籍するものと考えた。
(実際には旧帝大よりも圧倒的に早慶が多い印象)
サービス内容などどこも似たりよったりだろう。
料金が多少高かろうとも、在籍者のスペックが高ければ惜しくない。
他社と比較することもなく、入会を決めた。
費用は、入会時の初期費用で30万程度。
月々の費用は2~3万円(お見合いの件数に応じて増減)であった。
成婚料はなし。
それが高いか、安いか、について言及するつもりはない。
問題は、成婚料の有無である。
成婚料の有無によって、相談所にとっての“良いお客様”は異なる。
営業努力の方向も異なる。
①成婚料あり
入会時の初期費用や月々の会費は比較的安価で、成婚した際に一定の成婚料が求められる相談所の場合、相談所は、会員が成婚して初めて大きな収入を得る。
したがって、成婚する会員が、“良いお客様”である。
そして、相談所は、会員の成婚に向けて営業努力する必要がある。
②成婚料なし
一方で、成婚料を課さない相談所の場合、収入源は入会金と月々の会費。
入会金を納め、継続的に月会費を納める会員、すなわち成婚しない会員こそ“良いお客様”なのである。
相談所にとって、会員の成婚は、収入源を一つ失うことを意味する。
したがって、積極的な営業努力は必要ない。
この仮説が確信へと変わった瞬間があった。
37or38歳の一橋大卒金融機関勤務の方とのお見合いでのこと。
立ち会ったのは、男性側の担当コーディネーターであった。
一足先に着いた筆者は、コーディネーターおばさまと他愛もない話をしていた。
その中で彼女は高らかに笑いながらこう言った。
おばさま「○○くんも入ったときは若かったんだけどね。いつの間にかおじさんになっちゃって笑。かれこれ何年になるかしら。」
かれこれ何年…?
筆者は言葉を失った。
この相談所の在籍期間は1年と決められている。
1年経てば、成婚せずとも退会のはず。
その男性は、退会後再入会を繰り返しているのだろう。
再入会に要する費用は存じ上げないが、まとまった金額が求められるのは、想像に難くない。
この相談所にとっての太い客、優良会員は、成婚できずに何年も婚活し続ける者だ。
そう理解したとき、背筋が凍った。
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