(注)学歴ネタがお気に召さない方は、閲覧をお控えください。

 

 

 

さて、記憶を掘り起こして54人目。

 

53人目と同じく、メーカー技術職のN氏。
業種と勤務地から、おおよそ勤務先は特定できた。
 
写真はいかにも地味な理系男子だが、黒縁メガネがややおしゃれ。
身長も180cmと高い。
 
気がかりなのは、学歴が不明であることと、尋常でなくメッセージが長いこと。
 
 
 

相手: 34歳 メーカー技術職 東京工業大学大学院修了(推定)

方法: Omiai

場所: 恵比寿のバル

 

 

 

日曜日の恵比寿。

 

猫背気味な高身長のN氏は、細身のパンツにボーダーTシャツ、カジュアルジャケット、黒縁メガネ。

カメラを趣味にしていそうな、理系男子の風貌である。

 

ヘアは、生え際が後退した額を隠す長めの七三分けスタイル。

この日は風が強く、長い前髪がすべて持ち上がってしまう姿が少し悲しい。

 

 

 

物腰はとても柔らかい。

聞けば、姉と妹に挟まれた真ん中っ子だという。

 

前日の53人目に比べると、とても話しやすい。

緊張することなく、世間話をすることができた。

 

当たり障りのない世間話ゆえ、あまり記憶には残っていない。

 

 

 

N氏のプロフィールには、大学名の記載がなった。

面接でも、筆者の学歴に言及しつつも、自らのそれについては、明かすつもりはないようだ。

 

地理情報等から、大学院は推定できた。

しかし、違和感が残る。

 

・N氏がいたであろうキャンパスは、3年次以上の一部の専攻のみ。

・しかし、N氏はそのキャンパス周辺にしか住んだことがない。

・都内に友達が多くなさそう。

・理系単科大学のはずなのに、文系の学生の生態をご存知。

・自己評価が高め。

 

 

 

以上の所見から、N氏は学歴ロンダリングの可能性が高いことが予想された。

おそらく、大学院だけが東工大、学士は地方大学。

 

それゆえ、自身の学歴については語らない。

ロンダリングも程度問題だが、口に出さないところ見ると、大幅な塗り替えだったのだろう。

 

 

 

学歴ロンダリングについては、以前、コメントで問われたことがある。

なぜ、そこまで敬遠するのか、と。

 

 

 

筆者が、学歴ロンダリングを嫌う理由は二つある。

 

一つは、彼らの目的。

 

彼らが学歴を塗り替えるのは、就職活動を優位に進めるためである。

学術的な目的や研鑽の意図があって、他の大学院に進学するわけではない。

 

筆者のまわりにも、ロンダリング組は存在した。

大学で姿を見るのは、入学から1,2ヶ月。

修士1年の夏になると、東大の名前を語って就職活動を始め、ほとんど大学には現れなくなる。

必要な単位と適当な修士論文をそろえ、卒業。

 

彼らが欲しかったのは、就活に使える大学名だけなのだ。

 

 

 

もう一つの理由は、大学院の難易度である。

 

おそらく、多くの方が、「東大大学院に進学した」と聞けば、大したものだと思うだろう。

しかし、大学に比べ、大学院は圧倒的に入りやすい。

 

世間のイメージは大学も大学院も同じだが、水準はまったく異なる。

彼らは、本来ならその大学には進学できない学力。

大学院の入りやすさを利用して、有名大学の名前を手に入れるのだ。

 

筆者が嫌悪を抱くのは、このしたたかさ。

そして、世間の評価による過信。

 

 

 

 

学歴ロンダリングへの疑念はあるものの、N氏、悪い人ではなさそうだ。

前日M氏の反省もあり、何とか次につなげようと思った。

 

LINEで話題になったスイーツネタで次の面接をほのめかしてみる。

N氏はのらりくらりと色のない返答。

ダメだ。

 

 

 

筆者「これまでアプリでお会いになった方々とはいかがでした?」

 

N氏「だいたい1回会っておしまいですよね。他にもいるかなーって。」

 

筆者「じゃあ、わたしも1回きりなんですねー。残念。」

 

N氏「そんなことないよー。」

 

二次面接はないと確信する。

 

 

 

それ以降の数日、LINEでのメッセージは続いた。

やはり、尋常でなく長いメッセージ。

 

やがて、連絡が途絶えた。

おや、ブロックされている。

 

 

 

メッセージの長さが示すのは、好意の程度だけではない。

論理的に文章を構築する、基礎学力も示しているのかもしれない。