友人「まともな大学出てて、育ちもいい人なんていなくない?外コン(外資系コンサル)もハングリー精神の強い人の方が多いよ。」
筆者「そうなのかなぁ。
友人「確かに。考えてみたら、あの高校そんな人ばっかりじゃん!
筆者「でしょ?誰か残ってないかなー。」
友人「あいるかも。Sくん、彼女いないって言ってた気がする!
友人の冴え渡る思いつきと密な連携により、独身者を集めたプチ同窓会が開催されることになった。
間を取り持ってくれたのは、既婚女性。
筆者は同じく独身のT子に声をかけた。
筆者「SくんとYくんと飲むんだけど、一緒にどう?」
T子「え!なんでそのメンツと飲むことになったのか、
筆者「かくかくしかじかで―」
T子「なるほどねー。まぁ気乗りはしないけど、
高校時代の筆者は、ミニスカートに茶髪。
紺のハイソックスへの転換期の当時、ルーズ派の残党として、
青春>勉強。
にぎやかな友達と日々を過ごし、半ば自分は“イケてる”生徒だと思っていた。
一方のSくんとYくんは、どちらかといえば真面目で静かな生徒。
一緒にお弁当を食べたり、遊びに行った記憶はない。
そんな高校時代の記憶が、筆者と仲の良かったT子の反応の所以である。
正直、筆者も不安であった。
同級生といえど共通の思い出もなく、
何より、筆者に対するイメージにも不安があった。
あのバカやってた奴ら、程度に思われてるのではないかと。
そうして再会の日はやってきた。
集まったのはクラスの枠組みを超えた6人。
10年ぶりに会う方もいたし、面識のない方もいた。
序盤こそぎこちなかったものの、すぐに打ち解けた。
筆者の不安は、杞憂であったことに気付く。
高校生の当時、真面目で静かと思っていた彼らのコミュニケーションは極めて良好。
大学にごまんといたイカ東とは比べものにならないほど。
それでいて、おごりがなく、誠実で、穏やか。
これまで出会ってきた高学歴男性たちよりも、ずっと人間的。
高校生のときの価値判断など、当てにならないものだ。
事実、“イケてる”と思っていた筆者たちは、お嫁に“イケてない”ただの行き遅れ。
“イケてる”男子はみな可愛らしいお相手と結婚した。
“イケてる”女子はスカートの長い者から結婚していった。
しかし、こじらせ人生も捨てたもんじゃない。
もし本当に筆者たちが“イケてる”女子だったら、彼らと旧交を温めることもなかったのだから。
凝り固まった固定観念を壊すこともできなかったのだから。
筆者は、この再会を心から楽しみ、機会を与えてくれた友人たちに感謝した。
一方、筆者は、Sくんたちの固定観念を壊すことができたのだろうか?
Sくん「Nさんて高校のときギャルだったよねー笑」
幹事の既婚女性Nさんは、筆者の記憶の中では比較的まじめな生徒であった。
それでもルーズソックスを履いたら即ギャル分類。
T子「そんなこと言ったら、あられちゃんもすごいギャルだったよね」
―中略―
Sくん「あられは全然変わらないね!」
ギャルイメージ覆せず。
(注)ギャルといえど、進学校ですので、大したものではありません。