お見合いを終えたら、回答をしなければならない。
もう一度お会いしたいか、二度とお会いしたくないか。
回答期限は翌日の夕方。
アメンバー限定記事をご覧になった方はすでにご承知だと思うが、おそらく筆者がお相手に与えた印象はたいそう悪い。
“学歴と職業を鼻にかけてプライドが高くノリが悪い、無趣味でつまらない女”
こんなところだろうか。
しかし、回答は筆者自身の意思で決めなければならない。
相手がどう回答するかは問題ではない。
筆者のM氏に対する印象を整理してみた。
①想像よりも謙虚
慶應SFCから金融コンサルというご経歴と、写真からあふれ出る自信。
正直、どんな いけ好かない方が現れるのだろう、と不安だった。
筆者は、同じ慶應義塾でも、本家の三田・日吉キャンパスとSFCでは、特性が異なると思っている。
地理的に隔絶されているからなのか、
本家との学力差に対する負い目なのか、
最先端の学問に励んでいるという自負なのか。
SFC出身者には、自信家で意識高い系の方が多い。
(有名どころでは、自称社会学者・古市憲寿、RADWIMPS野田洋次郎など)
しかし、M氏は、想像していたよりも謙虚だった。
間違いなく、意識高い系の系譜ではあるが、柔軟なコミュニケーション能力を持っている。
というか、高収入のエリートなのだから、持って当然の自信。
ビジネスマンとして成功している人間の風格を感じた。
②旅行のスタイルに共感
筆者が心打たれたのは、M氏の旅行。
自ら航空券やバス、電車を手配し、B&Bなどに宿泊したという中欧旅行の話を聞かされた。
主体性と計画性に長けている。
資金力があるにもかかわらず、楽なパッケージ旅行に逃げない姿勢も素晴らしい。
筆者も一人でこの類の旅をする。
電車やバスの車窓から、異国の景色を眺めるのが好き。
B&Bに泊まり、ローカルな生活を感じるのが楽しい。
これは、共有できる価値観のような気がした。
③TPOをわきまえていない
お見合い開始前、コーディネーターとM氏が会場に入っていく姿を目にしたとき、愕然とした。
M氏はダウンにデニムという装い。
同じラウンジでお見合いを繰り広げている方々は皆さんジャケットをお召しである。
筆者とて、ワンピースにストッキングで参った。
初対面、しかも仲人付きのお見合いにダウンとデニム。
馬鹿にされてるのだろうか?
ダウンでもモンクレールなら許されるのだろうか?
筆者は悶々としながらお見合い会場に進んだ。
後にコーディネーターにうかがった話では、“ジャケット着用”は口頭でも紙面でも伝え、周知を図っているとのこと。
つまり、本当に筆者が見下されていたか、TPOがないかの二択ということになる。
以上が、筆者のM氏に対する印象。
3項目のうち2項目がプラス、1項目がマイナス。
総合してプラスということになる。
一晩寝かせてすっきりした、お見合いの翌朝、回答を送った。
「ひとまず、もう一度お会いしてみたいと思います。」
その日の相談所終業時刻、コーディネーターから連絡があった。
「まだMさんから回答をいただいておりませんので、明日までお待ちください。」
回答期限は、お見合い翌日の夕方。
入会時に説明を受け、マニュアルにも明記され、お見合い前日のメールにも記載されていた。
筆者は即座に返信した。
「やはり、今回は見送ります。定められた最低限のルールも守れない方は苦手です。当日の装いにも疑問を感じました。モラルの感覚に大きな溝があるようです。」
土日に数件のお見合いを行い、比較検討の末に回答する、というスタイルももちろんあり得ると思う。
しかし、期限は守るべき。
誠意を求めているわけではない。
求めているのは、社会人として弁えるべき、最低限のモラル。
とうわけで、さようなら。
この調子で1回5千円はつらい。(心の声)