ー当該パーティーの参加者へー

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先般の婚活パーティーで筆者の注意を引いたのは、男性たちだけではなかった。

パーティーをともに戦った23名の女性たち。

すなわち、筆者が大敗を喫したライバルである。

筆者の敗因を探るべく、彼女たちについて考察したい。

 

 

 

1.年齢

 

その1で述べた通り、年齢制限は26~33歳。

しかし、会場を見渡しても若い香りはしない。

名簿にも年齢の記載がないため、定かではないが、同年代が多い印象。

やはり血眼になって婚活パーティーに申し込むのは30代と見える。

 

 

 

2. スペック

 

皆さん高学歴なのは言うまでもないが、男性同様、国家公務員、医師、外資コンサルと、超エリートばかり。

筆者など到底足元にも及ばないハイスペックの方々である。

 

そして何より、皆さん容姿端麗。

美しい。

 

この24名を母集団とすれば、筆者は学力偏差値も顔面偏差値も50をゆうに下回る。

完敗。

 

 

 

3. 衣装

 

東大女子の苦手な衣装に関しては、筆者も負けるわけにはいかない。

 

この日のドレスコードは“スマートカジュアル”。

フォーマルではないが、クリスマスパーティーにふさわしい装いが求められた。

しかも、赤か緑のモノを身につけろ、という指定付き。

 

筆者はまた迷った。

クリスマスにふさわしい真紅のドレスと、おそらく婚活にふさわしいくすみピンクのワンピース。

「赤いドレスはドン引き」という友人のアドバイスに従い、ピンクのワンピースを選択した。

黒のクラッチバッグにモスグリーンのファーをあしらい、何とか色の指定をしのぐ作戦。

 

 

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一方、会場の半数程度は、カジュアルなニットにスカートという装いであった。

拍子抜け。

“スマートカジュアル”はカジュアルじゃありませんよ。

 

 

残りの半数はバリエーションに富んでいた。

 

ひときわ目立っていたのは、上身頃のデコルテ部分と袖がレースのボディコンシャスな黒ワンピを身にまとった女医さん。

厚底ブーツにどこか懐かしい巻き髪、赤リップと、全身109風コーディネート。

スペックとのギャップが強烈。

 

 

他にも、お母様の借り物と見える、肩パットワンピ+レトロスカーフの方、

幼き日のピアノの発表会を思い出すお召し物の方、

高齢者の履くマジックテープタイプのお靴をお召しの方、

 

など、時代や年齢の概念を覆す、独特なおしゃれが繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

では、はたして彼女たちはどのような戦い方を繰り広げたのだろうか。

 

 

 

自己紹介は同性3名1組で8ラウンドをまわる。

 

筆者がラウンドをともにしたお二方は、とにかくまじめそうで静か。

くすりとも笑わず、己の名、仕事、趣味を淡々と、か細い声で述べる。

伏し目がちに、時折口元に手を当て、はにかみながら。

 

奥ゆかしい。

 

趣味は書道、絵画鑑賞。

なんと高尚なご趣味か。

 

驚いたことに、書道を趣味に掲げた方は一人ではない。

いまだかつてそんな友達に会ったことがないのだが、どうやら奥ゆかしい女性の趣味として、書道は一般的のようだ。

 

 

一方の筆者は、ヘラヘラと笑いながら大きな声で自己紹介。

1分間の自己紹介中、一度は笑いを取りに行く。

恥じらいや奥ゆかしさなど微塵もない。

 

 

筆者が男性だとしたら、こうメモを取る。

1番、おしとやか 2番、まじめ 3番、バカ

 

 

 

そして立食パーティー。

 

開始前、「おなかすいた―」という女性の声が聞こえた。

 

 

婚活パーティーに食べるつもりで来てるんですか?

というか、まだ16時ですけど、腹ペコですか?

 

 

 

実際に、乾杯を終えると皆ビュッフェ台に向かった。

お皿にてんこ盛りにお料理を盛る方もいる。

 

パーティーに不似合いな大きなバッグをひじにかけ、テーブルを囲み、お料理を食す。

まるで中年の井戸端会議だ。

 

 

 

筆者は、立食形式のパーティーが嫌いではない。

職業柄か、出席する機会も多い。

 

バッグはできる限り小さく。

壁の花にならない。

さまざまな方と言葉を交わす。

食事はせずにグラス一つで動き回る。

 

そんなことを念頭に置いている。

 

 

 

しかし、しばらくすると、ライバルたちの振る舞いが正しかったことに気付かされる。

 

円卓を囲んだ方々は、もりもりお食事しながら、談笑している。

同窓会のごとき、和気藹々とした雰囲気で。

 

グラス片手に闊歩していた筆者に、皆背を向けているではないか。

もはやその円卓に加わる隙はない。

 

お目当てのお方とお話したのち、伸び悩んだ理由はこれ。

筆者は完全に戦い方を誤っていた。

 

 

 

スペック不足。

戦略ミス。

 

 

 

かくして筆者は、入札数2という大敗を喫したのであった。

 

 

 

東大男子が求めるのは、ハイスペックで奥ゆかしい女性。

それでいて、衣装は垢抜けず、気取らない振る舞い。

 

難易度高し。

まずは、次回に備え、書道でもたしなもうか。