さて、試験も終わったところで、44人目との出会いを振り返りたい。
相手:32歳 大手企業事務職 京都大学卒
方法:婚活サイト 東カレデート
場所:銀座のワインバー
W氏とは東カレデートを介して知り合った。
考えてみるとリニューアル、再登録後初めてである。
東カレデートはマッチングはするものの、なかなか面接まで繋がらない。
京大卒文系サラリーマン。
プロフィールには、南米パタゴニアの写真等が掲載され、旅好き感が漂う。
旅行の話題で盛り上がり、お会いすることになった。
あまり期待もしていなかったが、会って残念。
久々に、初対面のその瞬間、ないなと思う方だった。
W氏は人の目を見ない。
視線はやや下方、顎あたりが基本。
そして、早めの速度で、抑揚なく、セリフを棒読みする。
高学歴男性の一つの類型。
さんまさんが東大生をいじり倒す番組等によくいるのだが、伝わるだろうか…
どこを見ているのかも、何を考えているのかもわからない。
表情も感情も読み取れない。
おまけにW氏にはチックのような症状も見られた。
教育ママに叱られ、強烈なストレス下で必死に勉強して京大に入り、人の目を見ることもできない人になってしまったのだろうか。
筆者は、勝手に想像する。
動物は、戦わない姿勢のときに相手から目をそらす。
しかし、W氏は違う。
下方を見ながら、世の中全部を見下した様子で、強めの言葉を吐く。
目を見ずに攻撃するのだ。
当然、筆者も攻撃の的になった。
W氏「東大であれだけ男子がいるのに、なんでモテないわけ?」
筆者「そうですよね笑。でも、、、」
W氏「でも、女子大に持ってかれるとか言いたいんだろうけど、そんなのごく一部でしょ。それ除いたって男子はまだ山ほどいるはず。」
W氏「実際モテてた女友達だっているよ?努力が足りなかったんじゃない?」
あなたみたいに人の目見れない人が大半なんでねぇ。モテてもちっとも嬉しくないんですよ。
という心の声は抑え、今一度省みることにした。
なぜ、筆者は東大生にモテなかったのか。
その少し前、大学の旧友と飲む機会があった。
テニスサークルの同輩、先輩方である。
国家公務員に銀行員、大手広告代理店と、見渡す限りエリートばかり。
そこで、指摘されたのは外観の派手さ。
先輩「なんか今日もすごいね。筆者って年々華やかになってる気がする。」
確かに、皆さん堅い仕事とあり、男女問わず外観も落ち着いている。
屋外でビールを飲もうというのに、味気ない黒とベージュのお召し物。もちろん髪も黒い。
一方の筆者は、褪色した茶髪に肩出しブラウス、サングラス。
確かにはたから見ると筆者は浮いているのかもしれない。
しかし、これはいまに始まったことではない。
以前にも記したが、東大進学者の大半は、中高一貫の男女別学校出身である。
校則の厳しい学校で学業に邁進する女性たちは、もちろん黒髪、膝下スカート。
異性の前で肌を晒すことなどあり得なかった。
それゆえ、大学生になっても装飾、露出は控えめである。
髪は光に透かしてようやくわかる程度の染色。
ミニスカートは履かない。
ノースリーブにはカーディガン必須。
テニスコートではスコートではなくジャージ。
異性と海やプールに行くなど信じがたい諸行。
それが東大女子の基本だ。
そこに東大女子の奥ゆかしさがある。
“普通の”東大男子が好むのは、この“普通の”東大女子。
奥ゆかしさに欠け、無駄に派手な筆者は、ウケないのである。
これには、旧友も皆同意した。
友人「建築は?建築は個性的な人多いでしょ?」
確かに、建築を学ぶ者は東大の中でも異端児が多い。
友人はヨウジやギャルソンも着こなす。
しかし、彼らが好むのは、俗っぽい派手な女性ではない。
生成のゆったりした服に身を包んだ、透き通ったナチュラルな女性(を装う者も含む)。
空とカフェラテと猫を見るとつい写真を撮ってしまう、感性の女性(を装う者も含む)。
例えば蒼井優のような。
筆者が写真におさめるのは、犬とビールと足元。
あぁ、感性が正反対。
建築を志す東大男子にはウケない。
これにもまた、旧友は激しく同意した。
ずいぶん長くなったが、要はW氏の言う通り。
筆者が東大生にモテなかった理由は、努力を怠ったことにある。
東大の男性の需要を理解しながら、それに合わせることをしなかったのだ。
そして、自分はモテないと嘆く。
なんと自分勝手なのだ。
次の一手は、地味な“普通の”東大女子へのシフトチェンジか。
今一度、自身の進むべき道を考え直すべきなのかもしれない。
再考の機会を与えてくれたW氏、ありがとう。
もうよく覚えていないけれど。
自身が着ていた衣装ははっきり覚えているのに。。。
(季節が移り変わってしまったため、自粛)