―実録・婚活サイトのリスク―
犯罪や事故、災害、私たちはさまざまなリスクにさらされている。
しかし、どこかで自分には関係ないと考える傾向にある。
すぐ隣にそのリスクが潜んでいるとも知らずに。
 
というわけで、順番は前後するが、衝撃の20人目をご紹介。
 
 
相手:31歳 システムエンジニア 東京外国語大学卒
方法:婚活サイトPairs
場所:新宿の餃子店
衣装:黒ニット(ZARA)、ギンガムスカート(マッキントッシュフィロソフィー)、パンプス(UR Doors)、バッグ(Prada)
 
 
20人目は外大卒システムエンジニアのW氏である。
W氏の住まいに近い新宿で待ち合わせた。
新宿駅南口近くのファーストキッチン前という、田舎者の筆者にはなんともわかりにくい待ち合わせ場所。
何とか探し出し、該当する交差点に向かう。
 
到着してキョロキョロすると、にこやかに手を振る男性が。
イケメン。
プロフィール写真は小洒落たスマートなお方を想像させるものだったが、写真よりも綺麗なお顔立ちである。
筆者的イケメンランキング第三位にランクイン。
(ちなみに1位は9人目、2位は19人目(未執筆)である)
 
 
W氏「仕事お疲れー!何食べたい?お腹空いてるっしょ?」
 
同い年ということもあってか、のっけからフランクな口調である。
筆者はその点保守的なので、最初の1時間くらいは丁寧語をキープする。
 
食事には餃子を提案された。
筆者は無類の餃子好きである。
それゆえ、前日も餃子を食べていた。
 
「きのう…」
と言いかけ、
「餃子大好きです!」
に切り替えた。
餃子なら連日でも問題ない。
 
なかなかの繁盛店である。
まずはビールを…と思いきやW氏のオーダーはレモンサワー。
アルコール耐性が低いそうで、とりわけビールが苦手らしい。
この方もまたアルコール耐性の低さがこじらせた所以か。
 
 
しかし、そんなことは微塵も感じさせぬ軽妙なトーク。
大衆的な餃子屋さんでも、レモンサワーでも、マイナスは感じさせない。
ちなみに、話題の大半が筆者へのダメ出しだった。
 
W氏「いいね!するのに大学名きくのやめた方がいいと思うよー。ドン引きするよ笑。」
筆者「あ、やっぱりそう?笑  」
W氏「東大生がきくのはヤバいよ。MARCH、ないわー。早慶、んーまぁまぁかな。って人だと思われるよ笑。」
 
ご名答。
心を見透かされたようで一瞬慌てたが、笑ってごまかした。
 
 
筆者「そんなイメージ!?じゃあやっぱりやめようかなぁ。」
W氏「と言いつつ、絶対変えないでしょ。考えなしに設定したわけじゃないはずだから。」
 
またもご名答。
 
 
意外に共通の話題も多く、会話はリズミカルに展開した。
餃子屋さんをあとにし、カジュアルなバーでもう一杯嗜んだ。
 
歳が近いというのは楽でいい。
このところ年上が続いたことからも同学年は居心地がよかった。
 
 
今度は友達も呼んで4人で会おう、とW氏は言う。
筆者では不満だから他の女性を紹介しろということか?
 
W氏「呼ぶとしたら年下だから、誰か年下探しといて!」
 
 
ともあれ“また今度”は社交辞令。
今回も例に漏れず音信不通に終わるだろう…そう思いつつ、別れた。
 
 
筆者の予想に反し、その後も連絡は途絶えなかった。
そして、初めて会った日から1週間も経たない週末、休日出勤していた筆者に、お茶の誘いが舞い込んだ。
 
後編へつづく。