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 伊藤喜良/著 歴史春秋/刊 200403121刷1200円 歴春ふくしま文庫54
 福島県の中通りの南端に白河市があります。江戸時代寛政の改革を断行した松平定信の御城下として教科書的に有名な場所であり、白河の関が奥州への入り口として有名です。
 鎌倉時代に白河庄に結城祐広が移り住んだのが、白河結城氏のはじまりらしいです。そして鎌倉末期から南北朝の大動乱期に結城宗広(親)、親朝(長男)、親光(次男)が歴史の表に顔を出します。その足跡を太平記に沿ってわかりやすく紹介したのが本書です。
 著者略暦によると出版当時福島大学行政社会学部教授と書かれています。本業ではなくて趣味の歴史探訪ですか?そのせいか丹念に白河結城一族の行為を調べているのですが、どうにも味気ないといいましょうか、でも地方郷土史家に多い読み辛さは無く、わかり易い学術的文章表現です。入門書としてはとても良いのではないでしょうか。