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 エリート意識丸出しの県庁エリートが場末のスーパーマーケットに人事交流で配置され価値観の相違や、プライベートでの恋愛の破綻、県庁内政治での左遷と挫折を味わうもスーパーマーケットの改善に成功し、自分本来の仕事の目標も持ち直し、プライベートでも新しい出会いが、といやはや物語ならではの夢物語なんですが、だからこそ主人公の「生き様」を二時間で確かめろ、とお奨めしたい映画です。
 起承転結のメリハリの効いた脚本、上手い配役、大作とは呼べないけれど映画の醍醐味が充分楽しめました。
 観終わって、月曜からの仕事にやる気が出てくるでしょう。

 以下無駄話。
 官民共にやる気のない職場は、朝早く出てくる人はいないし、夜遅くまで残っている人がいません。無責任男シリーズの第一作で植木等扮する主人公は会社に泊まりこんで未処理の書類を一気に処理してしまいます。無責任と言いながらバリバリの仕事人間なのです。ただしかめ面をして仕事をするのではなく、仕事もプライベートも楽しむサラリーマン像が描かれていると思います。

 私は県庁に勤めていません。が小規模ながら同業者なのでとても耳が痛い。
 でも言い訳をするならば、やって良いことも悪いことも全てルールに則るよう法律に書かれている、ルール以外の事はできませんし、やってはいけません。主人公がしょっぱな生活保護は住所が特定できないと受けることが出来ない、と言い放つシーンがあります。ルールに則る以上そうとしか言いようがありません。ルール以外の事は行政の範疇ではなく、議員や議会の立法か裁判所の司法の判断すべきことです。
 例えば普通資本主義世界において、サービスはお金を払えば払うほど高級なサービスを受けることが出来ます。では税金を多く治めている人はより良い行政サービスを受けることが出来て良いのでしょうか?江戸時代の武士階級と町民階級のように区別しても良いのでしょうか。日本は民主国家ですから憲法改正によって法律が変更されればそれも可能です。でも現行において公務員は「全体の奉仕者」であるとの法定義と宣誓をさせられます。税金の多寡や門地、性別等によって差別をしないために、この人には出来るけどあの人には出来ないサービスには明確な理由付けが必要です。
 
 とある市の条例に図書館の貸し出しは一人10冊まで、と明記されています。最近10冊以上貸し出しを受けている人を見かけました。職員に聞くと予約で用意してある本を含めた場合11冊以上でも貸し出すそうです。条例と違うのですが、図書館館長会議で決定したので問題はないそうです。
 本当に問題がないでしょうか?
 条例を守るのが市職員の仕事だと思うのですが、職員の恣意によって条例に書かれている以外のことを行って良いと、普通に借りている我々には10冊までと言っているのに、予約を申し込む人には20冊でも30冊でも貸すってどういうことなんでしょうね?
 
 映画を見ていて、現在大半の県庁ではファイリングとコンピュータ端末が主となり、職員の机の上にファイル・ブックが積んである事は無くなったはずです。近隣の役場等に行ったら職員の机をながめて見て下さい。コンピュータの端末以外は乗っていないはずです。映画はあくまで「らしさ」を求める現実のカリカチュアであって「現実」そのものを切り取るわけではありませんので、重箱の隅を突っ突くウンチクです。
 癒着問題も大きく取り上げられています。でも最近の公開入札制度では、制度上の問題点、安かろう悪かろうの被害が目にあまるようになって来ました。安いものは出来が悪く耐久性も使い勝手も悪いんです。公開入札にすると質の高く、最終的にコストが安上がりになる良い品を購入することが出来なくなり、修理や改修の手間や買い替えのコストの悪化を生じます。でも新聞なんかを読むと入札で安く購入できたとか、新聞記者が無知なせいか政治的操作で目の前の百円に気を取られ将来に千円の出費を強いている、税金が結果として多く使われているのに市民には何も知らさられません。全てがそうだとは言いませんし、社会保険庁や防衛施設庁のような例もありますから、透明性は今後もますます進める必要はあります。
 自分達が払っている税金ですから、もっと口を出すべきだと思います。

以下yahooより引用
解説: 「白い巨塔」など数々のヒットTVドラマを手掛けてきた西谷弘の劇場映画デビュー作は、キャリア官僚とパート店員が衝突を繰り返しながらも協力して三流スーパーの改革に乗り出す人間ドラマ。出世欲丸出しの官僚に織田裕二、彼の教育係で現場主義の店員に柴咲コウがふんし、コミカルな掛け合いを披露する。『踊る大捜査線』シリーズではノンキャリアの熱血刑事を演じた織田が、融通の利かない公務員を好演して新境地を開拓している。
ストーリー: K県庁のキャリア公務員・野村聡(織田裕二)は、ある時、民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれるが、研修先は客もまばらなスーパー。しかも野村の教育係・二宮あき(柴咲コウ)は、年下のパート店員だった。(FLiX)
製作年度 2006年
製作国・地域 日本
上映時間 131分
監督 西谷弘
製作総指揮 -
原作 桂望実
脚本 佐藤信介
音楽 松谷卓
出演もしくは声の出演 織田裕二 、柴咲コウ 、佐々木蔵之介 、和田聰宏 、紺野まひる