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川原正敏/著 講談社/刊 20060317第1刷390円 講談社コミックス
 修羅の門の後半から映画の画面をそのままもってきたように同じ大きさシネスコ・サイズのコマを1頁に四コマ漫画のごとく配置していたのが、海皇紀のここ数巻にいたってコマわりが細かくなってきました。描きこみをするようになってきたのか、物語の展開を早める為にやりはじめたのか、是非とも作者に聞いてみたいものです。それともしかして「絵」を描くより「物語」を書く方が好きなのではないでしょうか。
 ストーリーは、陸の戦いに区切りを付け、海の仲間を集める旅へ。
 日本史においても戦の話は華やかな陸戦を中心に記録が残り、海の働きについては最近までとりざさされることがありませんでした。しかし四方を海に囲まれた島である海洋国家日本が、いくらなんでも大量の兵員と武装と食料を陸路だけで処理できるわけがありません。平和な江戸時代においては大物流網として日本海側の北前舟と江戸中期以降には太平洋航路が発達しています。その割に現在は海に注目度が少ないような気がします。
 海に漢にして格闘技漫画家、しかも海皇紀はSFにもなっているようですし、国の興亡史と陸戦・海戦が入り交じる壮大な話が展開しています。27巻も出版されてはおりますが、まだまだ序の口のような感じで、続刊が期待されます。