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平田弘史/著 リイド社/刊 20060409初版838円 A5 SPコミック
 このマンガは戦国時代劇です。主人公は黒田官兵衛、竹中半兵衛亡き後豊臣秀吉の軍師を務め、神戸周辺の小土豪から江戸時代には九州博多を治める大名にまでなりました。司馬遼太郎の「播磨灘物語」がやはり黒田官兵衛を主人公にした小説として有名です。
 6巻目では荒木村重の人質になる良く知られたエピソードの回となりました。

 平田弘史はコミック作家としては名をあまり広く知られていませんが、漫画家もしくは劇画家としては古くから有名でした。残念ながらアニメ化になったり萌えたりしないので若い人達に知られていないのが残念です。と書いている私も平田弘史の名を意識して読むようになったのは社会人になってからでした。アフタヌーンの新首代引受人から。一時期筆を折っていたようですが、最近になって復刊や連載と精力的に活動するようになり喜ばしい限りです。

 時代劇を描くには、絵柄もそうですが先ず知識が無くては話になりません。草履と草鞋の区別がつかなかったり、着物の着こなし方が分らなくては描くことができません。古代中国時代の設定であっても、十字軍の遠征隊であろうともGパンをはいていたりするのはマンガの一つの技法として認められる事です。でも確信犯として時代背景を借用して現代劇を行うとの、知らずに時代劇を描くのでは雲泥の差があります。

 ジャンプやマガジンも面白いですが、ただ楽しいだけではなくマンガの実力を「黒田・三十六計」で確かめているのもよいのではないでしょうか。