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 私は力道山はおろか東京オリンピックも知らない世代なので、もしかしたらとても的外れな事を言うかもしれませんが、力道山なるこの映画は最早日本人にすら描くことが出来なくなった戦中から戦後十年の時代の風を実に良く活写した映画ではないでしょうか。この映画が日本で興行的に上手くいかないとしたら、それは日本人の描写がリアル過ぎたからだと考えられます。なんといってもメインの役者を取り巻いている端役の役者が巧い。外から見た日本人とはああいうものだろうと思います。
 レトロな邦画が人気を博していますが、結局過去を舞台に現在の人々の夢を語っているので、今現在の日本の人々の理想を描いています。しかし今回の映画は日本人に媚びる必要は無いので(恐らく企画者達には日本も含めた市場戦略をもっているでしょうが)良くも悪くもありのままの日本人が描かれています。
 出演の大半が日本人役者ということと日本語で語られているので、アジア圏以外で上映したら日本の映画と勘違いされることを請合えるほどの日本映画でした。
 惜しむらくはラストの降雪を何故CGで演出したのでしょうか?あれだったら紙雪舞わせた方が情感出たと思うんですけどねぇ。穿った見方をすれば桜吹雪を強調しようとしてあえて雪を稚拙にしたのでしょうか。あと、屋内セットが天井高過ぎ。
望遠レンズを多様した詰まったショットは、モロ私の演出と重なります。それゆえ悔しさ百倍。
 柔道の木村役の舟木は体絞りすぎのような気もします。力道山との対比でしょうか。
 力道山の栄光と孤独を韓国視点で描いた力作です。

以下yahooより引用
解説: 日本の国民的英雄だった伝説的なプロレスラー、力道山の一代記を描いたヒューマンドラマ。主演は『シルミド/SILMIDO』のソル・ギョング。妻役を演じたのは中谷美紀。脇を固める俳優も藤竜也や萩原聖人といった豪華な顔ぶれ。監督は、俳優のような華麗なマスクを持つ『パイラン』のソン・へソン。力道山を演じるため、わずか5か月で30kgもの増量に成功したソル・ギョングは、日本語も猛特訓し、本編では流ちょうな日本語を披露した。日本各地で撮影されたという1950年代から60年代の風景を見事に再現した美しい映像にも要注目。
ストーリー: 1945年、貧困生活を脱出しようと祖国を離れ、力士になるため単身日本へやってきた力道山だったが、日本人でなければ横綱になれないという現実をつきつけられ、絶望のなか、酒浸りとなる。ある日、屈強なプロレスラーから人種も国籍も関係なく世界と戦うことのできるプロレスの世界があることを教わり、単身アメリカへと旅立っていく。(FLiX)
製作年度 2004年
製作国・地域 韓国/日本
上映時間 149分
監督 ソン・ヘソン
製作総指揮 -
原作 -
脚本 ソン・ヘソン
音楽 -
出演もしくは声の出演 ソル・ギョング 、中谷美紀 、萩原聖人 、鈴木砂羽 、山本太郎