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原案/賀東招二 著者/きぬたさとし イラスト/篠房六郎 竹書房 20060127初版571円税抜 ゼータ文庫
 表紙に釣られて買いました。内容は性格が異なる刑事がコンビを組むよくあるパターンをヒロイックファンタジー世界の美少女剣士と冴えないけどやり手の刑事という、ストイックなおやじ&美少女とこれまたよくあるパターン二種の、ある意味贅沢な、組み合わせです。訳者あとがきというお遊びもまた面白くオチをつけています。
 
 この本は竹書房のゼータ文庫シリーズ第一弾の二冊のうちの一冊です。同時期にソフトバンクも同じようなライトノベルのシリーズを出版しました。いくらヤングアダルト系ライトノベルの市場が拡大したからと云っても、先発の徳間デユアル文庫とか角川春樹事務所のヌーベルとか他にも何箇所か出版しましたが、撤退しています。今更ライトノベルを出してきたとしてもこれ以上日本国内の市場拡大は望めないわけで、出版社はどんなマーケット・リサーチをしているのか首をひねります。現時成功している男子向けライトノベルは富士見ファンタジア、ファミ通文庫、電撃文庫、角川スニーカー、スーパーダッシュ文庫、MF文庫でしょうか。どれもアニメやマンガやゲームとのコングロマリットで売っていると云ってもおかしくありますまい。スニーカー・電撃・ファンタジアは同じ角川グループですし、スーパーダッシュはマンガの大手集英社、ファミ通はゲーム・パソコンの老舗と、メディアファクトリーの前身ってなんでしたっけ?私の見立てではMF文庫は早々に消えると思っていたのが善戦しています。ライトノベルの老舗朝日ソノラマと日本人作家によるSF文庫の老舗早川JAも今や風前の灯火のように出版数を減らし細々という感じで、コミックガンマを休刊してしまった竹書房が小説の分野でどのように展開するのか全く予測できません。雑誌「創」あたりがライトノベルの特集を組んでくれないですかねぇ。

 篠原六郎が楽しみで月刊イッキ3月号を買ってきました。「ナツノクモ」休載!折角一ヶ月待っていたというのに。小説の挿絵なんて描いてないで本業を何とかしてくれっ!