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 廃墟の軍艦島にたたずんで涌いたイメージが天空の城ラピュタでした。ラピュタにたどり着いたルシータとパズーの会話が、私の記憶なので不確かではありますが、これほどのものをつくった人々がどうしてここを放棄したのか疑問を投げかけるセリフがありました。思い出してみればパズーが住んでいたのは資源を掘り尽くそうとしていた鉱山でした。資源を掘り尽せば人々は生きる糧を失います。後に残るのは廃墟だけ。軍人達が我先にそこいらじゅうにあるものを略奪する浅ましい姿となんらかわることはありません。欲望のみの物質消費の行き着く先は破滅なのでしょう。オープニングの絵巻風アニメーションも天空都市の歴史を表していると同時に人の歴史の繰り返しを表現していたのではないでしょうか。
 それでも風はいつも同じく吹いているし、それを利用することも可能です。人が生きていくために必要な植物も無くなることはありません。持続可能な資源は存在します。
 宮崎駿のイメージボード集等をみるとかなり初期からパズーやルシータのイメージが存在しています。おそらく物語の中核となるテーマが確定できないでいたため、イメージの断片だけで企画が立たなかったのではないでしょうか。宮崎駿が軍艦島に来たかどうかは知りませんが、おそらく軍艦島か同じような資源の枯渇により廃棄された都市の跡地に立ったはずです。表面的な活劇としての物語とともに、内包する深刻なテーマとビジュアルが頭の中だけで考えられたとしてはあまりにも生々しく鮮烈だと思います。