ジョニー・ディプは芸達者ですねぇ。本業が俳優ではないかと錯覚しまいます。パイレーツ・オブ・カリビアン、ネバーランド等とはまた違った面を見せてくれます。シザー・ハンズは残念ながら観ていないのですが、冒頭の事の発端となる金券とチョコレートや雪の街角そしてBGMとまるでバットマン・リターンズを髣髴とさせる!と思ったら監督も音楽も同じでした。さて映画はというとCG使いまくり。生身の人間を使った人形劇とでも云えばいいのでしょうか。ナイトメア・ビフォーア・クリスマスやこれから公開されるコープス・ブライトといった人形劇を劇映画化してしまう手腕を考えると、ティム・バートン監督の中で完成されている世界観をいかに現実に表現するかがそのまま映画の出来になってしまうようで、21世紀になってやっと満足にSFXを駆使できたといった感じです。
 また出演している役者がティム・バートンの描く絵そっくりなのにも驚きます。バートン監督の描写力が優れているのか、そういった役者をわざと選んでいるのでしょうか。内容は子供が見ても飽きてしまうのではないかと思えるほど風刺が効いています。大人が楽しむビターなチョコレート風味の映画ではないでしょうか。面白いので是非スクリーンで楽しんでください。