日が暮れてきて

 美しい山が

 バラ色の空に輝いて

 空の雲が湖に

 映りこんで
 想像力を使わなくても

 本当に山が浮いて

 見えてきた。
「きれい。」
 貴也はそっと

 ルーンの肩を抱き

 寄せてじっとした。

 ドキドキする貴也の

 心臓。
 ルーンは景色に

 見とれてる。

 ルーンは今

 安心という感覚を

 実感していいて

 そんな状態が不思議だ。
 この時間はもう

 二度とない。

 そう思った貴也は

 勇気を出した。
「き、きすをしても

 いいですか?」
 ルーンは貴也の顔を

 覗き込んで尋ねた。
「キス…って、

 なんでしたっけ?」
 地球データの記憶を

 読み込んでも出てこない。
 地球のデータは

 脳に入ってるとはいえ、

 全部じゃなく

 ルーンがあこがれてる

 生活、景色や歴史や

 服飾が中心だ。

 という事情は

 関係なく貴也は

 真面目に答えた。
「ぼくのくちびるを

 ルーンの唇に

 重ねるのがキスです。」
 貴也の唇をじっと見て

 また尋ねた。
「そうするとどうなりますか?」
「ぼくがとんでもなく

 幸せになります。」
 

 

 

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