両親の顔だけでなく

 最後に世界一

 嫌いな女の顔と

 名前まで頭に

 浮かんでちょっと

 悔しくなった晃は

 涙をぐっと手の甲で

 拭いた。
 そうして新聞を

 コピーして晃は

 そのコピーを

 大切に胸にしまって

 施設に帰った。

 歩きながら

 涙が出てそのたびに

 どこかに隠れたり

 座ったりして

 休んだせいで施設に

 帰ったときは

 決められている

 中学生の門限より

 相当遅くなったし
 腹ペコになった。
 施設に戻ると

 龍が玄関で

 待っていた。

 晃が早退して

 両親の死亡記事を

 探すと言っていたので
 心配していた。

 予想通り

 泣きすぎて目も鼻も

 真っ赤な晃が

 元気なく帰ってきて、
 龍は晃の肩を撫でた。
 施設の仲間は

 今の晃の家族だ。

 そうだとわかっている。

 だけどやはり本物の

 家族には敵わない。
 昔の小さなアパートに

 帰りたくなった晃は

 龍の肩に頭を乗せて

 また泣いた。 
 1年前までは

 晃の方が背が

 高かったのに今は

 龍の方が晃を

 見下ろして

 頭を撫でる側だ。
「食堂に飯あるから。」
「うん。腹減った。」
 二人で玄関を上がって

 食堂に行った。
 晃の分のごはんが

 トレーに乗って上に

 ふきんを被せてある。

 その横に龍が

 晃の為に残した
 自分のおかずも

 ふきんをかぶせて

 置いてある。
 
 

 

 

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