鎧の仮面では

 御堂の表情は

 わからない。

 ただ黙って

 海の方向を

 向いている。
 青い空に

 黒い雲が湧き、

 静かな海が

 荒れてきた。

 うねりだした

 海の中から

 這い出てきたのは
 魚人。

 堂島カオルが

 作成したアバターだ。
 もう見慣れた

 魚人の姿。

 魚の胴体と

 人間の手足。

 鱗が黒く光り、

 ねとねとと体が

 粘液で
 濡れている。

 醜い姿を堂島は

 作った。

 御堂はつまらないものだと

 思っていた。
 しかし、

 海から這い出て、

 白い砂浜を

 這うように、

 いざるように動く

 魚人を今御堂は
 これまで

 感じた事のない

 奇妙な感覚で

 見ていた。
 這う魚の体に

 砂がついて、

 魚人は

 立ち上がろうとしている。
 口を開けて、

 細くギザギザの

 歯らしきものが

 見える。

 苦しそうに

 呻きながら魚人は
 御堂の青い鎧に

 抱き着いてきた。
 御堂は絡むような

 腕を払い、

 後ろに身を引く。

 その簡単な

 しぐさでさえ

 魚人にダメージを

 与えた。

 魚人は顔から

 砂に突っ込む、

 苦しそうに

 ゲボッと
 砂を吐いて再び

 立ち上がろうとする。

 

 

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