松坂にこの
 話をしたのは
 信じ始めたからだ。
 ゆづるは一気に
 泥を吐き出した。
「それからも俺は、
 何年も、
 使われても
 使われなくても
 偉い人の相手を
 させられた。
 偉い人と関係を
 作っておくのが
 いいんだって
 言い聞かされたけど、
 今ではその人たちも
 落ちぶれて業界から
 姿を消した。
 母さんは俺が
 働いた金で友達に
 見栄を張って
 金なんかすぐに
 なくなった。
 俺は母さんが憎い。
 母さんに復讐したい。
 なのに、
 こんなに売れたのに
 連絡さえしてこない。
 俺は母さんにとって
 なんだったんだ?
 そう考えると過去の
 全てが辛いんだ。」
 松坂は
 普通に役者になり
 天性の才能もあり、
 運もよかったから
 ぐんぐん成功してきた。
 芸能界の闇を
 見聞きしてはいたが、
 松坂には関係なかったし
 子供の被害を
 知らなかったので
 それで男を受け入れる
 体になったのかと、
 かなり衝撃が大きかった。
 そんな過去を
 持つゆづるに
 後ろめたい
 気持ちにもなって呟いた。
「16歳の子供を強姦した俺も
 同じって訳だな。」


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