次の日待ったが、

 あれだけ言ったのに

 灯から別れの電話が

 こないので沢村は
 苛立っていた。
「あのアマ、

 まだ決められないのか?

 チッ、

 グズグズしやがって、

 これだから女は!」
 沢村としては

 婚約者に別れる

 理由を告げたので、

 こちらの誠意は

 みせたつもりだ。
 どのみちミナトは

 もう俺の物なんだ。
 そうは思っても

 沢村としてはミナトの心に

 少しでも女が

 引っ掛かているのは

 不快だ。
 恋人になってしまえば

 こっちの物だと

 割り切りたいが、

 割り切れない。
 婚約者を綺麗に

 切り離して、完全に

 空いた身体のほうが

 いい気分なのだ。
 数日後、

 灯とミナトの別れを待つ

 苛立ちで頭が

 いっぱいの沢村に

 ショックを与える

 事件が起きた。
 事務所の社長や

 幹部から呼び出しを

 食らい、

 沢村が怪訝な気分で

 社長室に顔を出すと
 非常に緊張した

 雰囲気で、

 写真週刊誌を見せられた。
 見せられた記事には

 男と女が

 抱き合ってキスをした

 写真が載っていた。
 夜、どこかの路上、

 暗い中でも沢村は

 一目でそれが

 ミナトだとわかった。
 見せられたページに写る

 ミナトが…

 ミナトと女が、

 濃厚な口付けを交わしている!
「!!!」
 沢村は鈍器で

 頭を殴られたような

 衝撃で目眩がしながら

 記事を読んだ。
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