「別に灯さんに

 感謝される筋合いは

 ないです。俺が今日

 電話したのは灯さんに
 ミナトのことで

 お願いがあったからです。」
「はい?」
「あいつは

 ずっと苦しんでます。」
 灯はもうずっと仕事が

 なくなったミナトを

 心配していたので

 声を潜めた。
「ミナトが?

 やっぱり何か仕事で

 あったんですね?」
「いいえ、

 仕事じゃないです。

 灯さんあなたのことです。」

 灯はドキッとした。
「あいつから灯さんが

 どれほど大切な

 友達か聞きました。

 灯さんが大好きだって。」
 灯はまたまた嬉しい言葉で

 赤くなったが、

 沢村の言いたい事は
 そういう意味ではなかった。
「灯さんは

 赤ん坊のころからの

 大親友で、

 結婚の約束までしたって。

 あいつ、
 物凄く後悔してます。
 バカだった、子供過ぎた、

 灯を苦しめることになるなら、

 友達でいられなくなるなら
 結婚するなんて

 言わなきゃよかったって。」
 灯の頭が何かで

 殴られたような衝撃を

 受けた。
「こっちであいつ、

 本当に愛する相手に

 出会ったんです。

 一生一緒にいたい相手に!」
 それは俺だよ、と、

 沢村はニヤニヤ

 笑いながらしゃべっている。
 ミナトは俺と出会った。

 俺達はこんどこそ

 一生一緒に暮らすんだ。
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