心細くて仕方ない晃は
顔を男にすごく
寄せて、じっと見る。
男は身体を横に
向けてもう片方の手で
晃のふんわりした
頭を撫でた。
晃の可愛い顔を
見つめる男は
この子が本当に
俺の子供みたいだと、
とても不思議な
気分になっていた。
そうやって仲良く遊んで、
数日が過ぎ、
いよいよ晃が
養護施設に行く日が迫った。
今日は男は具合が悪く、
晃は男のベッドの横に
座って顔を見ている。
男は辛そうだったが、
晃に思い残しを
色々話した。
「晃、俺さ、結婚したい
女がいたんだ。」
「うん。」
「だけどさ、
俺がぐずぐずしてたら
他の奴と結婚しちゃったんだ。」
「うん。」
「もう子供も3人も
いるんだってさ。
俺も結婚してたら
晃ぐらいの
子供がいたよな~。」
「うん。」
ちょっと男は笑って、
それから真面目な
顔で言い聞かせた。
「晃、好きな女が出来たら
ぐずぐずするんじゃないぞ?
後で逃がした魚は
大きいって
後悔する位なら、
断れたっていいから
ちゃんと口説け。いいな?」
「うん。」
ちょっと黙り込んで、
男は元彼女に
プロポーズすれば
よかったなと後悔した。
晃がぼーっとしてると、
また話し始める。
「俺さ、元気になるから。」
だから怖がらないで
待ってろよと男は思った。
「うん。」
今日もご訪問ありがとうございます。
マタキテネ